水島監督にとってのヒーローは誰か?
本郷監督 → しんちゃん+ゲストのヒーロー&ヒロイン
原監督 → 野原一家、家族がヒーロー
水島監督 → カスカベ防衛隊(?)
ネットで見かけた指摘。なるほど、初期の本郷みつる監督が手掛けた劇場版クレしんは、ヒーローもしくはヒロインが窮地に立たされたところで「オラがおたすけするぞ」としんちゃんが活躍するというフォーマットがあった。原恵一監督の場合は、野原一家に大きくフォーカスがあたる。「わくわく温泉」では家族全員がスーパーヒーローとなって活躍するくらいである。そして水島監督はというと…。
カスカベ防衛隊が最後まで主役となって活躍した作品は今回の「カスカベボーイズ」が初めてらしい(じつは全作品を視聴していないので、間違っているかも)。
今回の作品は、カスカベ防衛隊が「ファイヤー」すること、それ自体がクライマックスとなっている。では、水島監督はこれからもカスカベ防衛隊を主役に据えていくのだろうか。ぼくはむしろそれはないと考える。だって、ここまでドーンとやっちゃったら、あとは二番煎じになるだけだもん。それに、前作「ヤキニクロード」ではカスカベ防衛隊はいつものように途中退場しているんだよね。
ひょっとしたら水島監督は、軸になるものが定まっていないのかもしれない。そういうものを必要としないパワーがあるということかもしれないが、水島カラーが「映画好き」「アクション指向」ってだけじゃあ、せっかくの「クレしん」が生きてこないじゃないか。次で何を軸に据えてくるか、水島監督の評価はそこから始まるんじゃないだろうか。