決闘が続く一方で、クヌート王子が覚醒する。文字どおり目覚めちゃう。王子の決意は、単なる復讐心ではないだろう。覚醒した王子は、驚くべき求心力で物語を束ねていく。
そうきたか!
人が殺し合う漫画は好きじゃない。だから、この物語も眉をひそめながら読む。殺し合う中でギリギリの生をつかもうとする彼らを、ヒリヒリとした気分で見守る。しかし、その死屍累々の山を前にした王子の覚醒は凛としていて、胸を打つ。まだしばらく、彼らの生き死にを見守り続けなければならない。

幸村誠『ヴィンランド・サガ』第6巻[Amazon]