2006年04月06日

『Palm Magazine 永久保存版』

TH55の運用もすっかり安定して、別段あたらしいパームウェアを入れるでもなく、日々淡々と使い続ける日々なわけですが、書店でみかけたらつい買ってしまいました。

最近のパーム事情からすっかり遠ざかっていたので、パームを取り巻く環境の現在がおおむね把握できました。

それにしても驚かされるのは、初代Palm Pilot が登場してから、わずか10年しか経過していないという事実です。言い換えるなら、10年前には Palm は存在しなかった、その事実に驚かされます。

スカリーの提唱した情報家電コンセプトとしてのPDA、その一環として生まれてきた Newton テクノロジー。MessagePad がうまく離陸できないうちに、PDAは「低価格の電子手帳カテゴリ」の代名詞にすり替わっていって、それも廃れたかという頃にあらわれたのが Palm Pilot だったと記憶しています。

インターネット以前と以降で、世の中は圧倒的に変わってしまった印象があるわけですが、Palm っていうのは、インターネットが普及する直前の曙光だったのではないかと思います。

思えば、インターネットはコンピューティング世界におけるVHSだったんだなぁ。二〇世紀末に花開こうとしていたいろんなコンピューティング・パワーの萌芽を、ことごとく摘み取ってしまった。右へ倣えさせてしまった。インターネットにあらずんばITにあらず、といった価値観に塗り替えてしまった。

べつに嘆くほどのことでもないけど、あの頃のワクワクしたいろんなものと二十一世紀は、少しだけ地続きではないような気がするのは、そういうことなのかなと思う。

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posted by 多村えーてる at 20:18| 奈良 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 嘆きのデジタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事を読んで、子供のころに読んだ
「アルファ電卓にコンピュータ知性をダウンロード」というのを思い出し検索してみました。
どうやらアルファ電卓なる不思議な言葉が気になっていた人は他にもいたようです。
http://d.hatena.ne.jp/satob/200410

『名探偵マイコンマン』は1985年の本だったと初めて知りました。
アドバイス役の人格をモバイル計算機にコピーして持ち運ぶ、というコンセプトが大体10年で実現した時代だったんですね
Posted by 通行人 at 2006年04月07日 07:09
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