
メウって、すごーく女だと思う。彼女は(男性からみた)女性のうっとうしさや重さを具現化したキャラクターなのだ。普段ははしゃぎまくっていたり、のほほんとしていたりするくせに、いざ二人っきりできちんと話す機会になったら、急に重たい言葉で相手をなじってみせる。語尾はすべて「……ったじゃないですか」。男としては絶句するしかない。
主人公のテルがこれまた、人の気持ちをおもんばかろうとか、そういうことに気が回らないタイプとして設定されているから、余計に苦しい。ここぞというところで、いつもテルは自分の愚かさをメウから思い知らされる。この構図は苦しい。
この男と女の関係が持っている苦しさや重さに収斂していくところは、他のTAGRO作品と比べると健全と呼べるような『宇宙賃貸サルガッ荘』もまた、TAGRO作品であると実感できる部分なのだ。