2006年10月11日

「よつばとひめくり」は来年も

2007も「よつばと」。

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2006年10月05日

マスターピース ゼータ・ガンダム

「ちくしょう、奴ら、とうとうやりやがった。宇宙世紀の住民になっちまいやがった!」

『マスターピース ゼータ・ガンダム』を手にしたときの、最初の心の叫びである。

「狂ってやがる、奴ら、狂ってやがる。あーもう、楽しそうに狂ってやがるなぁ!」

『マスターピース ゼータ・ガンダム』を読み進めるうちにわき出てきた、心の叫びである。

本書を、小松原造型のガンダム写真集としてとらえると大やけどするだろう。意図的なソフトフォーカスの画像に、隔靴掻痒、もどかしさしか感じられないとしたら、それは読者としてはちょっとした不幸である。また、ゼータガンダムというモビルスーツの解説書としてとらえるとしたら、それもまたたいした満足は得られないだろう。ここに記されているのは、あまたある珍説・捏造設定のひとつでしかないからだ。

本書のたのしみは、宇宙世紀(U.C.106年)に片足を突っ込んだままで現実世界を生きている酔狂者たちが本気になって取り組んだフェイクにある。いかにもなソフトフォーカスの画像(宇宙世紀でもこの程度の荒れた画像になっちゃうの?)、折れ曲がったりシワになっているエゥーゴ広報発行のリリースペーパー、裏写りしている新聞紙のスキャン(宇宙世紀でも新聞印刷はこんな線数なの?)。こういった、冷静に考えたらちょっとおかしいんだけど、現実世界と宇宙世紀に共通できるかもしれない「いかにも」のためにあきれるほどの労力をつぎ込んでいる、その編集姿勢やプロセスをたどっていくと、送り手たちのクレイジーさとパッションがページをなぞる指先から伝わってくるのである。

新聞紙のような裏写りしそうな印刷物をスキャンする場合、スキャンする用紙の裏側に黒い紙をひけば裏写りしない。印刷業界の常識である。でも、裏写りしていたほうが新聞っぽいから、わざとそうしているのである(おそらく裏面の記事も作り込んでいると思われる)。新聞独特の網点がばっちり目立つ線数の低い印刷物っぽく、わざわざ画像を加工しているのも、「いかにも」を成立させるためのブリッジとなっている。

宇宙世紀は、ひょっとしたら高解像度の印刷物があたりまえの世界になっていたり、劇場版ゼータで描かれたように電子ペーパーが普及して、新聞紙が消滅している(新聞メディアはあのポワンポワンの電子ペーパーで展開されるはず)かもしれない。しかし、あえてそこまで飛躍はしない。そうしないと、宇宙世紀と現実世界とのブリッジが失われてしまうからだ。

ゼータガンダムのテレビシリーズ放送当時、ウェイブライダーという技術(机上の空論だけど)はまったく世間に知られていなかった。だから、スペースシャトルのオービターがそうしたように、ゼータガンダムは機体底面を突入面に向けて大気圏突入を果たした(リフティングボディによる鈍体突入)。ウェイブライダーという名称は採用されたけれど、その理論は新しすぎて、そのとおりの映像をみせたとしても、ほとんどの人には理解されなかっただろう。ウェイブライダーと現実世界にはブリッジとなるものがまだなかったからだ。当時、スペースシャトルは時代の寵児だったから、しっかりとブリッジとして機能していた。ゼータガンダムのフライングアーマーが黒い色をしているのをみて、「耐熱タイルかな?」と思った貴兄も多いはずだ。

本書が刊行されたとされる宇宙世紀0106年は、現実世界の西暦2006年と並行して存在している。それは、ガンダムの物語がスタートした宇宙世紀0079年が、西暦1979年に世に現れたときから、ずっとそうなのである。

本書を読みながら、あるひとつのエピソードを思い出していた。

いわゆるポケモン、『ポケットモンスター』に「ピカチュウの森」というエピソードがある。旅の途中サトシたち一行は、たくさんのピカチュウが暮らすピカチュウの森にたどり着く。サトシのピカチュウも仲間に加わって、たのしそうに遊んでいるピカチュウたち。「俺も仲間に入れてくれよ〜!」思わず駆け出すサトシ。驚いたピカチュウたちは、ワラワラと森の中に逃げ去ってしまう……。
サトシはピカチュウになりたかったわけではないだろう。電気ネズミになりたいわけではないのだ。ただ、その楽しそうなピカチュウたちと一時を過ごしたかっただけなのだ。

「俺も連れてってくれよ、俺も、宇宙世紀に!」

彼らの仕事にまざりたいとか、そういうわけじゃないんだ。ただ、この本に携わることのできた連中には、素直に嫉妬した。羨望した。そして痺れた。彼らはたしかに、宇宙世紀の空気を吸い込んだ。胸いっぱい。

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2006年08月18日

小松左京『SF魂』

自分でも驚いたのだけど、小松左京氏の著書をいままで一冊も読んだことがなかった(!)。
知っているようで知らなかった、日本のメディアと万博の生き証人のような半生。日本でSFが根付いていく歴史の中には、いろんな人が貢献しているのだろうけど、その中でも小松左京氏の活躍、特に『日本沈没』のヒットというのは大きかったんだなぁと再認識。

あと、小松上京ってキャラクターを手塚治虫御大の漫画で読んだことがあったような…と調べてみたら、どうやら『鳥人大系』という作品だったらしい。実家にまだ残ってるかなぁ。

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2006年08月16日

パーフェクト・アーカイブ「劇場版・機動戦士Ζガンダム」

TVシリーズをベースにして、新訳ゼータがどう変わったのかという視点を徹底した編集方針が興味深い。「●●は、こんなイメージが強いが、劇場版ではこんなカットやあんなカットが追加されていて、印象を新たにしている」といった、根気のいるコメントが随所にみられる。力仕事としてはなかなかのものではないだろうか。

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2006年07月05日

猪俣謙次・加藤智『ガンプラ開発真話〜そして市場勢力図は塗り替えられた』

ガンプラのサクセスストーリー本といえば過去にもいろいろ出ていますが、この『ガンプラ開発真話』はその黎明期からガンプラの開発・販売に携わってきた加藤智氏が自ら当時のことを綴った貴重な一冊。門前払いを続ける創通エージェンシー(ガンダムの商品化権を管理している)に日参して、ついにプラモ化権を獲得するくだりなどは、まさにプロジェクトXを見る思いだ。また、爆発的なガンプラブームの中で身を粉にしてガンプラを製造し続けた現場の人たちの姿にもスポットをあてているところなど、他に類を見ない貴重な内容となっている。
読んでいて、当時のことをいろいろ思い出した。そういえば「プラモ化権獲得!」ってアニメ雑誌などでも高らかに宣言していたな、とか、1/144スケールって初めて聞くサイズだったな、といった「ガンプラ事始め」から、ブームが加熱していく中で自分も西武百貨店の行列に加わったこと、ともだちと集まって工作大会やったこと、「ガンダムのプラモデル買ってきたよ」と母親がドグ・マックのプラモデルを買ってきてくれたこと、レジンを買って波打ち際のズゴックを作ったこと…。その後つかずはなれず付き合ってきたガンプラを巡る出来事の数々。そして、それは現在も進行形なのだ。
加藤氏の本文にも熱いものを感じたが、特別寄稿として掲載された柿沼氏の原稿にはさらにハートを刺激された。自分をカタチ作ってきたそれまでの慣習と新しい潮流との狭間で悩み、苦しみ、そして乗り越えてきた氏の半生に胸をうたれた。
少し長いけれど、ここにその一部を引用する。
柿沼秀樹「特別寄稿:『HOW TO BUILD GUNDAM』への道」より
 当時私が考えたことは、いま若い造形作家たちが事もなげにやってのけている。模型のおもしろさや模型雑誌の意義は、ただ実物の縮尺コピーを目指すことや、実物との差異の指摘だけではなく、自分なりにイメージを描き、そのイメージに、どうアプローチすれば到達できるのか、どういう方法で完成させれば納得のいく結果が得られるのか、という姿勢やその方法を探求することにこそあるのだ。特にガンダムにおいては、どこにも実在しないその対象物を、どう夢想、イメージすべきなのか、その指針を読者やユーザーに提供するところから始めなくてはいけない。「モビルスーツは平気だから陸戦時には迷彩塗装されているはずだ」だけではもう古い。その工程が複雑すぎるためにアニメ本編には導入できないくらいの未来の戦術、戦法、機能が、模型としてのモビルスーツたちには備わっていて欲しい。
 機体に書かれているべき文字や識別章は、友軍のリーダーでしか読み取れないようなマーキング方式を取っているかもしれないし、またくらい宇宙空間での編隊構成時には自らの機体を照らす照明だって必要かもしれない。侵攻中に機種の特定を阻むため、別の機種の装甲を纏って敵を欺瞞するという戦法だってあるかもしれない。
 「HOW TO BUILD GUNDAM」を読み、『ガンプラ』を作って育ったモデラーたちもいまやすでに中年だろう。いまなら読者の低年齢化を危惧することなく新しい「HOW TO BUILD GUNDAM」を編集できるかもしれない。もちろん彼らを奮起させるような新しい挑発を込めて。
1/144ガンダムの金型を使ったペッパーショップの古賀学氏の装丁による表紙デザインもたいへん美しい。
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2006年03月22日

『SF画家加藤直之―美女・メカ・パワードスーツ』

てっきり画集だと思っていたんだけど、実際はハンディなB5判でした。そのおかげで、日々の通勤途中に読むことができたのでありがたかった。

この本は、加藤直之氏の絵づくりに対する姿勢が事細かに記されている。それは、できあがった作品以上に興味深かった。たとえばこんなテキストを拝むことができる。
しかし何と言っても描いていていちばん楽しいのは、被弾して推力も失い宇宙空間を漂っていく戦艦である。被弾してただ爆発炎上するだけではどこにでもある戦闘シーンである。今まで描いたことがないのは? 爆発したり、炎上する時の火の広がり方は? 内部の構造を考えながらどうしたら格好よく壊れていくのかを考える。壊れ方にも美があるのだ。そのコダワリがぼくが絵を描く時の原動力となる。
なんという贅沢だろう。この一文に出会えただけでも買った甲斐があろうというものだ。ちなみに、件の「爆発する宇宙戦艦」は、イラストのごくごく隅っこの小さな爆発に過ぎない。通常なら、気が付くはずもない脇役である。そこに、これだけの理屈と情熱が込められているのだ。

この惜しみない理屈と情熱の投入は、パーワードスーツのイラストにも遺憾なく発揮されている。以下は、WAVEから発売された「1/12機動歩兵」のパッケージアートに関する一節である。
次は背景だ。映画でいう大道具。艦内の通路を進んでいる最中だろうか。いや、それだと通路を新たにデザインしなくてはならない。通路をデザインするためには艦内すべてのデザインポリシーを決めねばならないし、艦内の配置図まで必要になってくる。さすがにそれは面倒である。
さすがにそれは面倒でしょう、と思わずこちらも突っ込みたくなる。背景ひとつ描くだけでも、宇宙戦艦(もちろんここではロジャーヤングだ)の艦内配置図まで設計しなければならないと考えることのできる、加藤直之氏が「SF画家」であることの所以ではないだろうか。

パワードスーツに関しては、かなりのページ数が割かれており、特にキットのパッケージアートに関してはこと細かに詳解されているのだが、最後に、「描かれたパワードスーツと同じポーズをキットで再現できるか」を氏は検証する。答えは、少しだけできない部分があったという。しかし画稿を見比べても、ぼくには違いが分からなかった。氏の指摘しているのはカトキハジメ氏が言うところの「マッハの戦い」の領域である。
それならなぜ最初から写真を使わなかったのか。その答えは簡単だ。描いていて楽しくないからである。絵に写し取るだけなら写真を加工すれば事足りるが、それでは写真に撮れないものは絵に描けないことになる。常に訓練していなければだんだん能力は落ちていく。仕上げを大事にするイラストレーターである自分と、描く意欲を大切にする自分。「絵を描く意欲」が勝利することは、ぼくにとって珍しいことではない。ビジネスとしては落第スレスレな感じだ。しかしいったんはトレースしないで完成させている。「正確」な絵を一度見ておきたい欲求に負けた。
さて、冒頭に書いた判型についても、あとがきでしっかり言及されていた。
最初は大きな判型も考えていましたが、すぐにやめました。大きくしたら薄くなるし棚にも入らないので、いつのまにかまぎれてしまいます。
ぼくは、ぼく自身がもっとも読みたくなる本を作りました。
皆さん、この本はコミック本やSFマガジンと同じ棚に置いてください。そして時々と言わずいつでも手元に置いて目を通してください。
きちんと意図された仕上がりであることに、あらためて感心。


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2006年03月01日

倉田英之『R.O.D』第十一巻

読子・リードマン、十九歳。ドニーと出会ってから5年目、いよいよ特殊工作部へ。紙使いの能力に、いまだ本人は気付くことなく…。

あまねく名作という奴は、ラス前に過去を振り返り、その原点を問うと相場が決まっているようです。『R.O.D』もご多分に漏れず、過去と現在の話がいったりきたり。ここに来てまだふろしきを広げようとしている倉田英之は怪人か。

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2006年02月23日

『横山宏 Ma.K.スケッチブック〈vol.1〉』

横山宏氏のスケッチ集が出ることは知ってたけど、もう出ているとは。気が付けば、何も考えずにレジの前に立っていましたよ?

マシーネン・クリーガー関連はSF3D時代のものもちらほら。全ページに本人の解説テキストが掲載されているんだけど、「映画の打合せのときの…」と書かれているのはひょっとして「あの映画」のことだろうか。ホビージャパンのイベントで昔むかし観たときはアゴが外れたなぁ(笑) 戦闘機関係のスケッチでは、さりげなく「雪風」も。ああうれし涙。

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2006年02月22日

ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版』

普段ミステリはあまり読まないんだけど、『ダ・ヴィンチ・コード』のことは少し気になってた。上下巻で刊行されたときから、いかにも「これはヒットしますよ。話題になりますよ」といった出版業界の気合いが見て取れたし、それに乗ってみるのもわるくないかなと。…思っただけですっかり忘れてました。知らないうちに映画が制作されていて「劇場公開決定」の帯が付くようになって、知らないうちにこのヴィジュアル愛蔵版も刊行されていた。

作中に登場する美術作品や建築物などの写真が140点掲載されている。これらの実物の写真を参照しながら読み進められるという贅沢が気に入って購入した。やぁ、これはおもしろい。

作中で主人公たちは徹夜で「ダ・ヴィンチの仕掛けた謎が…」「教会の隠された真実が…」と語り合っているのだけど(眠くないのか?)、読んでいるこちらもつい時間を忘れて読みふけってしまう。いやはやミステリはこれだからあぶない。

実在の建築物、実在の美術作品、実在した人物たちがバンバン登場しながら、たったひとつの法螺を成立させるためにリアルな考証が積み重ねられていく様子は、それだけでスリリングな体験だと言えるだろう。これ書くの大変だったろうけど、楽しかっただろうなぁと思った。

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今年に入ってすっかりブ厚い本づいてる。春にはハリポタの新刊も出るんだよね。
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2006年02月21日

よつばとひめくり2006

今月10日に発売された「よつばと!」のひめくりカレンダー。「ひめくりあずまんが」から数えると、けっこう毎日めくってることになるなぁ。

わが家では4月までは開封しないしきたりなので(?)、あと一カ月ほどは中味を確認できなかったりするのだな。

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2006年02月04日

あさりよしとお『荒野の蒸気娘』第一巻

二〇世紀の終わり頃、友人たちと岸和田のシネコンまででかけて『アイアンジャイアント』を観た。涙がとまらなかった。そのとき確信した。これから日本ではコミックやアニメにおいて、『アイアンジャイアント』にインスパイアされた作品が大量に登場するだろうと。「純粋な心を持ったロボットと“美少女”の物語」が雨後の筍のように出てくるだろうと。

しかし、奇妙なことに(あるいは思いのほかクリエイターたちは冷静だったのか)、そのような現象は起こらなかった。そんな作品はほとんどあらわれなかったのだ。

しかし、あさり御大はやってくれた。『純粋な“美少女”の心を持ったロボット』という、あきれるほどの変化球でもって。外見は無骨なロボット、内面は純粋無垢な美少女。いやはや、おそれいりました。この先の展開を思って、ちょっぴり泣きました。

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2006年01月30日

とだ勝之『F.C.ジンガ』第一巻

とだ勝之さんといえば『猫 ミック』がわりとお気に入りだったんだけど、他の作品はなかなか読む機会がなくて、今回、新刊が出たのを機に買ってみたんですよ。

クラスでは目立たないジンガくん、放課後はサッカー小僧となって大活躍…なんだけど、開始地点では仲間はひとりもいなくて、練習場所はさびれた商店街。一人、二人と友達ができていくだけで感動し、感激する彼なんだけど、そういった逆境のいやったらしさがオモテに出ない作風は、読んでいて安心できるし、純粋に楽しめる。『メジャー』のように熱く上り詰めていくような作品ではないかもしれないけど、子供たちがイキイキとしている様子が雄弁に語られるとだ作品は、ステキだ。

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2006年01月13日

唐沢なをき『さちことねこさま』第三巻

最終巻はドトウの展開、そしてきれいに大団円。惜しげもなく新キャラを登場させ、なおかつ既存のキャラクターも上手に再登場させている。読者が間違いなく忘れているだろう端役(笑)をこれでもかと絡ませてくるあたりは、よくもまぁ多忙にもかかわらず面倒なことをやるもんだと感心するばかり。

それと、漫画的に抽象化されたキャラクターであるにもかかわらず、さちこのメガネだけはきっちりとディテールが与えられた作画は、メガネフェチならずともフェティッシュなものをビシビシ感じることができるだろう。アンバランスさを愛らしさにまで昇華させた成功例といえるだろう。つーか好きだ(笑)

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2005年12月12日

とり・みき『るんるんカンパニー』

もしボクが突然こどもになって「将来のどんな大人になりたいか」と訪ねられたら、「秋田冒険王先生になりたい」と答えるだろう。彼は、ボクのヒーローだ。

『るんるんカンパニー』第一巻[Amazon]
『るんるんカンパニー』第二巻[Amazon]

鏡に映った自分の姿をみるとき、ボクは不思議でならない。どうしてボクは蝶ネクタイをしていないんだろう。どうしてボクは白いスーツを着ていないんだろう。どうしてボクはあのステキなヘアスタイルをしていないんだろう。

それはきっと、ボクには弟がいないからだ。ボクが次男坊として生まれたからかもしれない。だから彼のセリフはボクのあこがれだ。さぁ、涙を流して叫ぼう。

「弟よ!」
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2005年11月25日

野村弘明『それでも私はpalmを使う―英語版palmを使い倒す方法の全て!』

なんと心意気あふれるタイトルでしょう。不退転、そんな言葉が脳裏に浮かびます。ソニーが焼け野原にしてしまった日本のPalm市場だけど(言い過ぎ?)、元々パームの世界は英語版を日本語化して使ってきたわけで、「ソニー以前」の状況に回復したのだと考える人だっているかもしれない。

かく言うボクは、TH-55 をいまも快適に使っている。マンダラートが使えること、T-Time 互換の読書環境(Pook)があること、この二つがあるかぎり Palm は伴侶であり続けるだろう。

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2005年11月16日

西島大介『土曜日の実験室―詩と批評とあと何か』

西島大介のトンガリ具合は、まったく今が旬なんだと思う。ユリイカの黒田硫黄特集で発表した短編で、ヒロインが「私の名前は黒田硫黄。漫画家でテロリスト」と名乗るところなどは、当時びりびりとしびれたものだが、気が付くと当の黒田はすっかりナリを潜めていて、地獄の潜水生活を謳歌しているわけで。

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2005年11月05日

本田透『アストロ!乙女塾!』

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『マンガでわかる小説入門』でさんざん批判される「文章の視点のブレ」がこれでもかと展開されるすばらしい作品。なにしろ文章修行において襟を正して兜の緒を締め直したばかりの状態のときに読み始めたものだから、頭が痛くなることしきり。しかし気が付けば、横溢する本田ルサンチマンがすっかり馴染んできて、キャラクターがつっぱしり始める頃には楽しい読書の時間となっていた。
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すがやみつる・横山えいじ『マンガでわかる小説入門』

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このタイトルを聞いたときは「とうとう小説の書き方まで漫画でないと説明できない時代になってしまったか」とあきれたものだが、それもまたよし、横山えいじ様の新刊とあらばなおのことよし、と飛びつく。すがやみつる氏のするどい視点は、文章修行を志す諸兄にはたいへん役立つことと思う。

読んでいて興味深かったのは、主人公が繰り返し「君はなぜ書くのか?」と問われること。業界スレしてしまった先輩が、書くことに対する情熱を失ってしまったと自己分析している姿もグサリときた。

「人はなぜ生きるのか?」。人生の局面において、繰り返し問われ、自問するだろう。人生の仕組みとか裏側の事情とか、そんなものばかり頭に入れてばかりの現代人は「生きる」という行為そのものにスレてしまっているのではないか。生きることは苦しみ続けることかもしれない。が、それでも生きるのだ。気が付けば、生きること自体が楽しくて仕方ない。そんな大先輩たちを見習いたい。
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『語ろうZガンダム!』

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ゼータガンダムという作品を語るのは難しい。(いわゆる)ファーストと比べても、作品が成立した時代背景が複雑になってるし、その結果としての作品の内容と評価も複雑になっている。世代毎の受け止められ方も驚くほど乖離している。おまけにこの二〇年間で評価の浮き沈みも相当なものだ。

ぼく自身、極私的なゼータ語りをいくつもエントリーしているけど、包括的にゼータをとらえるのは難しく、また、そこまで付き合うのはいかがなものか?とも考えてしまう。ゼータとはそういう作品なのだ。

ともあれ、二〇年の時を経て甦るゼータを前に、いろんな人が熱く語っている姿は、それだけで面白い。

じつは、「本当はゼータガンダムなんかよりももっと評価するべき富野作品、いっぱいあるよね」と思っている。が、あの苦くて生き辛かった時代を反映した「機動戦士Ζガンダム」という作品がこうして甦ることができるなら、そのことをフラットに受け止めるのもわるくはないだろう、とも。
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梶尾真治『精霊探偵』

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この手の「幽霊モノ(?)」に慣れている人だと、主人公の秘密なんてのはスグに気が付くのかもしれないけど、ほとんど免疫のなかった自分にはなかなか面白いどんでん返しだった。しかし、その彼らの選択はどこか苦くて、手放しで喜べるものではない。それはたぶん、死というものが間違いなく間に挟まっているという事実によるものだろう。
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