あずまきよひこ『よつばと!』第2巻
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「だまれこわっぱ!」
いやー堪能堪能。仕事がえりの電車で読んで、ひさびさに笑いを堪えるのに苦労しました。マジで「次の駅で降りて大笑いしようか」と思ったくらい。
『よつばと!』の第2巻であります。登場人物の個性が少しずつ明らかになってきましたが、風香、君のTシャツの趣味はすばらしすぎる(笑)
「子供の天真爛漫さはオトナからみると一種のファンタジーである」というのは、わりと使い古されたテーマなんだけど、『よつばと!』のサジ加減は、ありがちな、たとえば小田扉の『団地ともお』あたりと比べてもまったく異質な快感原則を持っているような気がする。1巻を読んだときから思っていたけど、かなり巧妙に計算された構成になっているような気がする。とてもうまい。たのしい。気持ちいい。
最近はいそがしさにかまけて、何度も同じ漫画を読むといったことが少なくなっているんだけど、『よつばと!』は思わず手が伸びる。いわゆる記号としてのリアルをまとったキャラクターをじっとり眺めるのも好きだし、緩急自在なタイミングを味わうのも楽しい。登場人物が「ビクッ」とする回数を数えるとか(笑)
それにしても、この話って、物語の初めからほとんど時間が経過してないんですな。ずっと夏の物語。でも、ちょっとずつ、わずかずつ時間が進んでいく。「終わらない夏」ではなくて、いつか終わることが約束された夏なんだろうな。子供って奴は本当に毎日成長し、変化していくものなんだけど、よつばがファンタジーな存在でいられる時期って、きっととても短い期間だけなんだろうな。