2006年02月04日

あさりよしとお『荒野の蒸気娘』第一巻

二〇世紀の終わり頃、友人たちと岸和田のシネコンまででかけて『アイアンジャイアント』を観た。涙がとまらなかった。そのとき確信した。これから日本ではコミックやアニメにおいて、『アイアンジャイアント』にインスパイアされた作品が大量に登場するだろうと。「純粋な心を持ったロボットと“美少女”の物語」が雨後の筍のように出てくるだろうと。

しかし、奇妙なことに(あるいは思いのほかクリエイターたちは冷静だったのか)、そのような現象は起こらなかった。そんな作品はほとんどあらわれなかったのだ。

しかし、あさり御大はやってくれた。『純粋な“美少女”の心を持ったロボット』という、あきれるほどの変化球でもって。外見は無骨なロボット、内面は純粋無垢な美少女。いやはや、おそれいりました。この先の展開を思って、ちょっぴり泣きました。

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posted by 多村えーてる at 12:17| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする