偶然このページの写真を見なかったら、ぼくはずっとこのままだったかもしれない。高千穂遥とは、ぼくにとっては(6巻までの)クラッシャージョウと(1巻かぎりの)ダーティペアの作者で、そのどちらも十代に出会い、何度も繰り返し読み、すっかりお別れした小説家でしかなかったからだ。
インターネットの時代に入って、やたらめったらアニメを観ては「○○がダメだから視聴終了」と作品を切って捨てるのが一種の芸にまで到達していた人だったんだけど、よほど誹謗中傷もあったのか、数年前にそれも辞めてしまって、すっかり忘れてしまっていたのだ。
「そうだ、ぼくは自転車少年だった!」。なぜ忘れていたのだろう、かつて自分はあんなに自転車を乗り回して、オーダーメイドの愛車さえ持っていたというのに。本書を読んで、そのことを思い出した。自転車への思いが、急速につのっていく。
自転車で痩せた人[Amazon] [bk1]
2006年10月31日
2006年10月30日
A.O.Z/アドバンス・オブ・Ζ〜ティターンズの旗のもとに〜
ちかごろはヘイズルも市民権を得たようで、HGUCキット以外にも、ガンコレにもラインアップされていたり、近々MIAも発売されるらしい。
掲載紙があるからと買ってなかったムック本、いまごろになってまとまった状態で読みたくなってきた。でもこれ、裁判パートはまるごと抜け落ちてたりするんだよな。来年には小説本としてまとめられるっていう噂もあるけど、どうなることやら。
ヘイズルの開発系統図の正しいものがほしくて(雑誌掲載時は画像が間違っていた)、vol.4だけ手元にある。調べてみたら、vol.2が品薄なのか(版元在庫切れ?)、Amazonではものすごいプレミア価格になっていて驚いた。表紙のオッパイが効いているんだろうなぁ(苦笑)
アドバンス・オブ・Z〜ティターンズの旗のもとに〜―電撃ホビーマガジンスペシャル (Vol.1)
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アドバンス・オブ・Z〜ティターンズの旗のもとに〜―電撃ホビーマガジンスペシャル (Vol.2)
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アドバンス・オブ・Z〜ティターンズの旗のもとに〜―電撃ホビーマガジンスペシャル (Vol.3) [Amazon] [bk1]
アドバンス・オブ・Z〜ティターンズの旗のもとに〜―電撃ホビーマガジンスペシャル (Vol.4)
[Amazon] [bk1]
来月はプリムローズのキットが付録。フルドドのように複数買いする貴兄もたくさんいることだろう。
掲載紙があるからと買ってなかったムック本、いまごろになってまとまった状態で読みたくなってきた。でもこれ、裁判パートはまるごと抜け落ちてたりするんだよな。来年には小説本としてまとめられるっていう噂もあるけど、どうなることやら。
ヘイズルの開発系統図の正しいものがほしくて(雑誌掲載時は画像が間違っていた)、vol.4だけ手元にある。調べてみたら、vol.2が品薄なのか(版元在庫切れ?)、Amazonではものすごいプレミア価格になっていて驚いた。表紙のオッパイが効いているんだろうなぁ(苦笑)
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来月はプリムローズのキットが付録。フルドドのように複数買いする貴兄もたくさんいることだろう。
2006年10月27日
ムーンライダーズ『ムーン・オーヴァー・ザ・ローズバッド』
(A機)>出ましたよ。
(栄輝)>うん。いちおうiPodに入れて聴いてるんだけどさぁ、なかなかじっくりと聞き込む余裕がなくて、まだなんとなく雰囲気が伝わってきた…ぐらいの感じ。
(A機)>ちょっと音が生っぽいというか、どんどんオールドファッションな感じになっていきますね。
(栄輝)>このへんはXTCなんかと同じなんだよな。長くやってると自分たちの音楽の原体験に回帰していくんだろうね。あーなんとか時間つくってじっくり耳を傾けたいなぁ。
(A機)>『ゆうがたフレンド』のダブミックスとかw
(栄輝)>わはは、どういうつもりなんだろうね、アレ(笑)K1はかつて「次の世紀にはいまよりも静かな音楽が流行るとイイナ!」と歌ったりしたわけだけど、世の中の音楽よりも何よりも、彼らの音楽自身はまちがいなく静かな音楽に向かってると思うんだよな。前作でその静かな音楽っぷりも極まったと思ったけど、本作はその上を行ってると思った。これがファーストインプレッション。
ムーン・オーヴァー・ザ・ローズバッド[Amazon]
(栄輝)>うん。いちおうiPodに入れて聴いてるんだけどさぁ、なかなかじっくりと聞き込む余裕がなくて、まだなんとなく雰囲気が伝わってきた…ぐらいの感じ。
(A機)>ちょっと音が生っぽいというか、どんどんオールドファッションな感じになっていきますね。
(栄輝)>このへんはXTCなんかと同じなんだよな。長くやってると自分たちの音楽の原体験に回帰していくんだろうね。あーなんとか時間つくってじっくり耳を傾けたいなぁ。
(A機)>『ゆうがたフレンド』のダブミックスとかw
(栄輝)>わはは、どういうつもりなんだろうね、アレ(笑)K1はかつて「次の世紀にはいまよりも静かな音楽が流行るとイイナ!」と歌ったりしたわけだけど、世の中の音楽よりも何よりも、彼らの音楽自身はまちがいなく静かな音楽に向かってると思うんだよな。前作でその静かな音楽っぷりも極まったと思ったけど、本作はその上を行ってると思った。これがファーストインプレッション。
ムーン・オーヴァー・ザ・ローズバッド[Amazon]
2006年10月19日
超合金魂 GX-34 ガンバスター
(A機)>ガンバスター、いよいよ来月なんですけど。
(栄輝)>正直、たいしたもんだと思うよ。ハーフアイもバンダイも。あのゲッPロボまるだしの(?)、いまどきの言葉でいうところのモーフィング変形バリバリのガンバスターを、物理的な変形機構に落とし込んで立体化したんだから。
(A機)>コトブキヤのワンコインシリーズ、海洋堂の山口可動モデルなど、過去にもいくつかガンバスターの立体物ってでてますけど、うちには一体もありませんね。じつはそんなにガンバスターには思い入れがない?
(栄輝)>んなわけあるかい。モロにストライクな世代なんだから。おまけにガンバスターといえば、その外観はイデオンのオマージュになってるわけよ。それだけもビビビと来るだろ? 来ないわけないだろ? いつもあの音楽がなってるだろ? ドンガンドンガンドンガンドンガン。バ、バッパラー、バッパラー。
(A機)>はいはい、失礼しました。でも、『トップをねらえ2』を観たのも最近だったりしますよね。おまけに最終回もまだなんですよね。OVA関係にはあまり積極的ではないのかなと思ってましたけど、元祖『トップをねらえ』もうちにあるライブラリはビデオテープだったりするから、いろいろ思うところあるのかなぁって。
(栄輝)>はー、そういえばそうだな。『トップをねらえ』っていうのは、ちょっと金食い虫な印象があるんだよな。OVAという流通形態そのものがそうだったわけで、いまだにOVAであるがゆえに縁のない作品っていうのはたしかにある。ちょうどアニメ雑誌をあまり買わなくなっていた時期で、トップ関連の連載をおいかけるためだけにアニメ雑誌を買うのもはばかられるようなところもあって、結果的に、「トップは遠きにありて思うもの」みたいな刷り込みが、俺の中でできあがってるのかも。
(A機)>ちょっとしたトラウマ作品というところですか。となると、今度の超合金魂は、決着アイテムとしてはこれほどぴったりなものはないんじゃないですか、なんて言ってみたりして。
(栄輝)>わー、言うなよ。世の中にははずみというものがあってだなー……。
超合金魂 GX-34 ガンバスター[Amazon]
(栄輝)>正直、たいしたもんだと思うよ。ハーフアイもバンダイも。あのゲッPロボまるだしの(?)、いまどきの言葉でいうところのモーフィング変形バリバリのガンバスターを、物理的な変形機構に落とし込んで立体化したんだから。
(A機)>コトブキヤのワンコインシリーズ、海洋堂の山口可動モデルなど、過去にもいくつかガンバスターの立体物ってでてますけど、うちには一体もありませんね。じつはそんなにガンバスターには思い入れがない?
(栄輝)>んなわけあるかい。モロにストライクな世代なんだから。おまけにガンバスターといえば、その外観はイデオンのオマージュになってるわけよ。それだけもビビビと来るだろ? 来ないわけないだろ? いつもあの音楽がなってるだろ? ドンガンドンガンドンガンドンガン。バ、バッパラー、バッパラー。
(A機)>はいはい、失礼しました。でも、『トップをねらえ2』を観たのも最近だったりしますよね。おまけに最終回もまだなんですよね。OVA関係にはあまり積極的ではないのかなと思ってましたけど、元祖『トップをねらえ』もうちにあるライブラリはビデオテープだったりするから、いろいろ思うところあるのかなぁって。
(栄輝)>はー、そういえばそうだな。『トップをねらえ』っていうのは、ちょっと金食い虫な印象があるんだよな。OVAという流通形態そのものがそうだったわけで、いまだにOVAであるがゆえに縁のない作品っていうのはたしかにある。ちょうどアニメ雑誌をあまり買わなくなっていた時期で、トップ関連の連載をおいかけるためだけにアニメ雑誌を買うのもはばかられるようなところもあって、結果的に、「トップは遠きにありて思うもの」みたいな刷り込みが、俺の中でできあがってるのかも。
(A機)>ちょっとしたトラウマ作品というところですか。となると、今度の超合金魂は、決着アイテムとしてはこれほどぴったりなものはないんじゃないですか、なんて言ってみたりして。
(栄輝)>わー、言うなよ。世の中にははずみというものがあってだなー……。
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いつからドムは3機でリックドムは12機買わないといけなくなったのか
(A機)>HCM Proでジェットストリームアタックセットなるものが発売ですよ。
(栄輝)>マスターグレードを3個買っても、並べるのも大変だろうけど、HCM Proならこういう遊びもできますよ、ってところか。
HCM-Pro G-BOX ジェットストリームアタックセット [Amazon]
(栄輝)>マスターグレードを3個買っても、並べるのも大変だろうけど、HCM Proならこういう遊びもできますよ、ってところか。
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2006年10月16日
働きエイジのバラッド
(栄輝)>最近、急に召喚したり文句言ったりしないのな。
(A機)>だってどうせ忙しいみたいですから。
(栄輝)>むぅ。そう言われるとむなしくなるんだけど、事実だからなぁ。
(A機)>もういいですよ開店休業中で。ブログなんて三ヶ月も持たないで店晒しになるケースが全体の8割を占めてるんですから。
(栄輝)>わるかったよー。そんなシニカルなこと言うなよー。
(A機)>わかっていただければそれでいいです。ただ、これから年末に向けて、いろいろ動きがありますけど、そういうのまったくフォローしないのもどうかなぁと思ったんですよ。いつも思うんですけど、ムーンライダーズのことってまったく取り上げないのはなんでなんですか?
(栄輝)>いや単に書きそびれているだけなんだけど。去年の『P.W Babies Paperback』のこととか、ユリイカやミュージックマガジンの特集とか、書いておかないといけないことがてんこ盛りというか山積みというか……わるかったよ。
(A機)>溜め込んでいても仕方ないんですから、サラリとでも書いておいたほうがいいんですよ。「継続は力なり」なんて、いつも他人には説教たれてるんだから、ご自分でも実践してくださいな。
(栄輝)>とほほ。とりあえず新譜関係についてはあらためさせてください。
P.W Babies Paperback[Amazon]
ユリイカ 2005年6月号 特集 ムーンライダーズ 薔薇がなくちゃ生きてゆけないんだってば![Amazon]
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2006年 06月号[Amazon]
(A機)>だってどうせ忙しいみたいですから。
(栄輝)>むぅ。そう言われるとむなしくなるんだけど、事実だからなぁ。
(A機)>もういいですよ開店休業中で。ブログなんて三ヶ月も持たないで店晒しになるケースが全体の8割を占めてるんですから。
(栄輝)>わるかったよー。そんなシニカルなこと言うなよー。
(A機)>わかっていただければそれでいいです。ただ、これから年末に向けて、いろいろ動きがありますけど、そういうのまったくフォローしないのもどうかなぁと思ったんですよ。いつも思うんですけど、ムーンライダーズのことってまったく取り上げないのはなんでなんですか?
(栄輝)>いや単に書きそびれているだけなんだけど。去年の『P.W Babies Paperback』のこととか、ユリイカやミュージックマガジンの特集とか、書いておかないといけないことがてんこ盛りというか山積みというか……わるかったよ。
(A機)>溜め込んでいても仕方ないんですから、サラリとでも書いておいたほうがいいんですよ。「継続は力なり」なんて、いつも他人には説教たれてるんだから、ご自分でも実践してくださいな。
(栄輝)>とほほ。とりあえず新譜関係についてはあらためさせてください。
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2006年10月11日
2006年10月05日
マスターピース ゼータ・ガンダム
「ちくしょう、奴ら、とうとうやりやがった。宇宙世紀の住民になっちまいやがった!」
『マスターピース ゼータ・ガンダム』を手にしたときの、最初の心の叫びである。
「狂ってやがる、奴ら、狂ってやがる。あーもう、楽しそうに狂ってやがるなぁ!」
『マスターピース ゼータ・ガンダム』を読み進めるうちにわき出てきた、心の叫びである。
本書を、小松原造型のガンダム写真集としてとらえると大やけどするだろう。意図的なソフトフォーカスの画像に、隔靴掻痒、もどかしさしか感じられないとしたら、それは読者としてはちょっとした不幸である。また、ゼータガンダムというモビルスーツの解説書としてとらえるとしたら、それもまたたいした満足は得られないだろう。ここに記されているのは、あまたある珍説・捏造設定のひとつでしかないからだ。
本書のたのしみは、宇宙世紀(U.C.106年)に片足を突っ込んだままで現実世界を生きている酔狂者たちが本気になって取り組んだフェイクにある。いかにもなソフトフォーカスの画像(宇宙世紀でもこの程度の荒れた画像になっちゃうの?)、折れ曲がったりシワになっているエゥーゴ広報発行のリリースペーパー、裏写りしている新聞紙のスキャン(宇宙世紀でも新聞印刷はこんな線数なの?)。こういった、冷静に考えたらちょっとおかしいんだけど、現実世界と宇宙世紀に共通できるかもしれない「いかにも」のためにあきれるほどの労力をつぎ込んでいる、その編集姿勢やプロセスをたどっていくと、送り手たちのクレイジーさとパッションがページをなぞる指先から伝わってくるのである。
新聞紙のような裏写りしそうな印刷物をスキャンする場合、スキャンする用紙の裏側に黒い紙をひけば裏写りしない。印刷業界の常識である。でも、裏写りしていたほうが新聞っぽいから、わざとそうしているのである(おそらく裏面の記事も作り込んでいると思われる)。新聞独特の網点がばっちり目立つ線数の低い印刷物っぽく、わざわざ画像を加工しているのも、「いかにも」を成立させるためのブリッジとなっている。
宇宙世紀は、ひょっとしたら高解像度の印刷物があたりまえの世界になっていたり、劇場版ゼータで描かれたように電子ペーパーが普及して、新聞紙が消滅している(新聞メディアはあのポワンポワンの電子ペーパーで展開されるはず)かもしれない。しかし、あえてそこまで飛躍はしない。そうしないと、宇宙世紀と現実世界とのブリッジが失われてしまうからだ。
ゼータガンダムのテレビシリーズ放送当時、ウェイブライダーという技術(机上の空論だけど)はまったく世間に知られていなかった。だから、スペースシャトルのオービターがそうしたように、ゼータガンダムは機体底面を突入面に向けて大気圏突入を果たした(リフティングボディによる鈍体突入)。ウェイブライダーという名称は採用されたけれど、その理論は新しすぎて、そのとおりの映像をみせたとしても、ほとんどの人には理解されなかっただろう。ウェイブライダーと現実世界にはブリッジとなるものがまだなかったからだ。当時、スペースシャトルは時代の寵児だったから、しっかりとブリッジとして機能していた。ゼータガンダムのフライングアーマーが黒い色をしているのをみて、「耐熱タイルかな?」と思った貴兄も多いはずだ。
本書が刊行されたとされる宇宙世紀0106年は、現実世界の西暦2006年と並行して存在している。それは、ガンダムの物語がスタートした宇宙世紀0079年が、西暦1979年に世に現れたときから、ずっとそうなのである。
本書を読みながら、あるひとつのエピソードを思い出していた。
いわゆるポケモン、『ポケットモンスター』に「ピカチュウの森」というエピソードがある。旅の途中サトシたち一行は、たくさんのピカチュウが暮らすピカチュウの森にたどり着く。サトシのピカチュウも仲間に加わって、たのしそうに遊んでいるピカチュウたち。「俺も仲間に入れてくれよ〜!」思わず駆け出すサトシ。驚いたピカチュウたちは、ワラワラと森の中に逃げ去ってしまう……。
サトシはピカチュウになりたかったわけではないだろう。電気ネズミになりたいわけではないのだ。ただ、その楽しそうなピカチュウたちと一時を過ごしたかっただけなのだ。
「俺も連れてってくれよ、俺も、宇宙世紀に!」
彼らの仕事にまざりたいとか、そういうわけじゃないんだ。ただ、この本に携わることのできた連中には、素直に嫉妬した。羨望した。そして痺れた。彼らはたしかに、宇宙世紀の空気を吸い込んだ。胸いっぱい。
マスターピース ゼータ・ガンダム[Amazon] [bk1]
『マスターピース ゼータ・ガンダム』を手にしたときの、最初の心の叫びである。
「狂ってやがる、奴ら、狂ってやがる。あーもう、楽しそうに狂ってやがるなぁ!」
『マスターピース ゼータ・ガンダム』を読み進めるうちにわき出てきた、心の叫びである。
本書を、小松原造型のガンダム写真集としてとらえると大やけどするだろう。意図的なソフトフォーカスの画像に、隔靴掻痒、もどかしさしか感じられないとしたら、それは読者としてはちょっとした不幸である。また、ゼータガンダムというモビルスーツの解説書としてとらえるとしたら、それもまたたいした満足は得られないだろう。ここに記されているのは、あまたある珍説・捏造設定のひとつでしかないからだ。
本書のたのしみは、宇宙世紀(U.C.106年)に片足を突っ込んだままで現実世界を生きている酔狂者たちが本気になって取り組んだフェイクにある。いかにもなソフトフォーカスの画像(宇宙世紀でもこの程度の荒れた画像になっちゃうの?)、折れ曲がったりシワになっているエゥーゴ広報発行のリリースペーパー、裏写りしている新聞紙のスキャン(宇宙世紀でも新聞印刷はこんな線数なの?)。こういった、冷静に考えたらちょっとおかしいんだけど、現実世界と宇宙世紀に共通できるかもしれない「いかにも」のためにあきれるほどの労力をつぎ込んでいる、その編集姿勢やプロセスをたどっていくと、送り手たちのクレイジーさとパッションがページをなぞる指先から伝わってくるのである。
新聞紙のような裏写りしそうな印刷物をスキャンする場合、スキャンする用紙の裏側に黒い紙をひけば裏写りしない。印刷業界の常識である。でも、裏写りしていたほうが新聞っぽいから、わざとそうしているのである(おそらく裏面の記事も作り込んでいると思われる)。新聞独特の網点がばっちり目立つ線数の低い印刷物っぽく、わざわざ画像を加工しているのも、「いかにも」を成立させるためのブリッジとなっている。
宇宙世紀は、ひょっとしたら高解像度の印刷物があたりまえの世界になっていたり、劇場版ゼータで描かれたように電子ペーパーが普及して、新聞紙が消滅している(新聞メディアはあのポワンポワンの電子ペーパーで展開されるはず)かもしれない。しかし、あえてそこまで飛躍はしない。そうしないと、宇宙世紀と現実世界とのブリッジが失われてしまうからだ。
ゼータガンダムのテレビシリーズ放送当時、ウェイブライダーという技術(机上の空論だけど)はまったく世間に知られていなかった。だから、スペースシャトルのオービターがそうしたように、ゼータガンダムは機体底面を突入面に向けて大気圏突入を果たした(リフティングボディによる鈍体突入)。ウェイブライダーという名称は採用されたけれど、その理論は新しすぎて、そのとおりの映像をみせたとしても、ほとんどの人には理解されなかっただろう。ウェイブライダーと現実世界にはブリッジとなるものがまだなかったからだ。当時、スペースシャトルは時代の寵児だったから、しっかりとブリッジとして機能していた。ゼータガンダムのフライングアーマーが黒い色をしているのをみて、「耐熱タイルかな?」と思った貴兄も多いはずだ。
本書が刊行されたとされる宇宙世紀0106年は、現実世界の西暦2006年と並行して存在している。それは、ガンダムの物語がスタートした宇宙世紀0079年が、西暦1979年に世に現れたときから、ずっとそうなのである。
本書を読みながら、あるひとつのエピソードを思い出していた。
いわゆるポケモン、『ポケットモンスター』に「ピカチュウの森」というエピソードがある。旅の途中サトシたち一行は、たくさんのピカチュウが暮らすピカチュウの森にたどり着く。サトシのピカチュウも仲間に加わって、たのしそうに遊んでいるピカチュウたち。「俺も仲間に入れてくれよ〜!」思わず駆け出すサトシ。驚いたピカチュウたちは、ワラワラと森の中に逃げ去ってしまう……。
サトシはピカチュウになりたかったわけではないだろう。電気ネズミになりたいわけではないのだ。ただ、その楽しそうなピカチュウたちと一時を過ごしたかっただけなのだ。
「俺も連れてってくれよ、俺も、宇宙世紀に!」
彼らの仕事にまざりたいとか、そういうわけじゃないんだ。ただ、この本に携わることのできた連中には、素直に嫉妬した。羨望した。そして痺れた。彼らはたしかに、宇宙世紀の空気を吸い込んだ。胸いっぱい。
マスターピース ゼータ・ガンダム[Amazon] [bk1]
2006年10月03日
HCM-Pro SP-01 サザビー メタルペインテッド
(A機)>完全メタリック塗装、武器パーツすべて切り出し済み、の高額アイテムなわけですが、どうなんですか?
(栄輝)>うーん、どうなんだろうね。ネットでの予約は軒並み締め切られてたり、注目のアイテムであることは間違いないようだけど。俺としてはリペイント物はさほど興味ないし、塗装のクオリティだけで通常版との価格差に見合う価値があるかというと…、うーん、むずかしいなぁ。現物はおそらくそれなりに美しいと思うけどね。
(A機)>コレクターズアイテムですかねぇ。
(栄輝)>月並みだけど、専用スタンドでも追加すればいいのになぁ。
HCM-Pro SP-01 サザビー メタルペインテッド [Amazon]
(栄輝)>うーん、どうなんだろうね。ネットでの予約は軒並み締め切られてたり、注目のアイテムであることは間違いないようだけど。俺としてはリペイント物はさほど興味ないし、塗装のクオリティだけで通常版との価格差に見合う価値があるかというと…、うーん、むずかしいなぁ。現物はおそらくそれなりに美しいと思うけどね。
(A機)>コレクターズアイテムですかねぇ。
(栄輝)>月並みだけど、専用スタンドでも追加すればいいのになぁ。
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1/100 MG クロスボーンガンダムX-1 Ver.Ka
(A機)>じつは今月はガンプラづいてるんですよね。買うばっかりですけど。
(栄輝)>うるさいうるさいうるさい。組みたいよ俺だって。
(A機)>口ではなんとでも言えますものね。お察しいたします。ホントのホントに忙しくしてらっしゃるんだから。べつに遊んでいて更新おこたってるとか、そんなふうにも思ってませんから。
(栄輝)>そんなふうに言われると、かえって俺が他所で遊んでるみたいに聞こえるじゃねーか。あーもう、まとまった時間とれねーかなー。せっかくのクロスボーンなのになー。レイズナーだって俺のこと待ってるのになー。
1/100 MG クロスボーンガンダムX-1 Ver.Ka[Amazon]
(A機)>まだ発売1週間だというのに、Amazonでなぜか37%引きの¥2313になってますね。なぜ?