(栄輝)>Hi-νってさ、元々の出自からしてややこしいというか、はっきりしないところがあるだろ、だから「これが正解」っていうもののない、ちょっとした鵺のような存在だと思うんだよね。実際俺、MS大全集に収録されてることすら知らなかったもん。
(A機)>ぼくもよく分かってないんですが、これだけ認知されてるのはゲームで取り上げられたから……ということでいいんですかね? 今回のキット化にあわせて、やたらめったらガレージキットの画像を目にしたんですけど、ゲームで活躍したから立体化、でもってMS大全集にも収録された、ということでいいんですよね。
(栄輝)>たぶんそうだろうなぁ。ゲームは守備範囲外なもんで、どうしても認識が甘いのよね。
(A機)>そんなこんなで、模型雑誌の早売りなんかもあって、ぼちぼちテストショット画像がでまわってますね。どうです?
(栄輝)>最初のブチ画ショックから考えると、よくまとまってるほうなんじゃない? ブチ画が指向していたように思えたディテールまで盛り込めているのかどうかは、ちょっとまだ読み取れないけど。
(A機)>カラーリングパターンをパーツの分割で再現したキットは、ゼータプラスとかこれまでにもありましたけど、ここまでデザインとカラーリングが乖離した設定のものを別パーツで再現したキットは初めてじゃないかと。
(栄輝)>トライアルとしては面白いと思うよ。「カラーにあわせてパーツも分割される」という法則ができてから、かえってカラーリングのパターンが単調になってるんじゃないかって、俺でも感じてたぐらいだから。でも、カラーごとに別パーツで成型されているということは、相当精度の高いパーツ成型でないと「別パーツ感」を払拭できないんじゃないかと思うんだよね。
(A機)>ガンプラって、「果たして実際のMSはどうか?」という思考実験を意識してきたと思うんですよ。今回の試みって、そこからの脱却なのかなって思ったりするんですけど、コアなモデラーさんたちは「また一歩ガンプラは組み立て玩具に成り下がった」って考えてしまうかもしれませんね。
(栄輝)>なるほどなぁ。「思考実験としてのガンプラ」っていうのは、ガンプラの根幹に位置するコンセプトだよな。その限界を超えようとしてるのかそれとも捨てようとしてるのか分からないけど、これまでのガンプラとは違う次元の何かにシフトしつつあるのかもしれないな、実際。
(A機)>きっとそうですよ。
(栄輝)>「ガンプラのネクストは、ゲート処理の払拭にある。レゴブロックのように、あらかじめパーツが切り離されている(ゲートが気にならない)ガンプラがいつか出る」って前から思ってるんだけど。
(A機)>たしかそのときはGFFがそれに近い、みたいな結論になってたんでしたっけ。
(栄輝)>あの膨大な針金をはずすことが、パーツをランナーから切り離すことの代償行為になってる、みたいなオチの話な。もっとガンプラそのものこととして、組み立て玩具を洗練させていったときにネックになっているのが、ゲート処理と塗装なんじゃないかと思うんだよ。これを払拭した先にあるのがガンプラのネクストなんだろうって。今回のHi-νの構成は、そのへんに手を伸ばしつつあるような気がする。でも、プラモづくりでいちばん楽しいのは、その両者だったりするんだけどね。
(A機)>ガンプラって、すでにプラモづくりという行為じゃなくてガンプラという動詞になってるのかもしれないですね。たとえば……。
(栄輝)>キット化が発表されてラピッド試作をみてアレコレ絶望したり、発売日に祭になったり、そういうことも含めて「ガンプラという動詞」だと、そう言いたいわけか。なるほどなぁ。
(A機)>分かります? 今日はなんだかすごくいいこと言ってるような気がしてきましたよ。
(栄輝)>言ってることがいいことだとは思わないけどな。
(A機)>ええー。
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(栄輝)>ところで、3月に予定されているEXモデルのヒルドルブって、EXモデル史上最高額キットらしいんだけど、Hi-νよりは安かったりするのな。