ここのところ、少しジョジョを読み返している。わが家には第四部までしかなかったので、これを機に第五部を購入することに。
第五部の連載当初は、何か乗り切れないところを感じていた。ジョルノ・ジョバァーナという主人公のキャラクターがいまいちパッとしなかったことや、いままでになく迷走感のある展開、第四部でも感じていた「それまでの伏線が結果的に収束することのないストーリー」に、作品として失速してしまったような印象があったのだ。
文庫判三〇巻の巻末には、荒木氏が短い文章を寄せているが、それによると、第五部がスタートした頃から、編集サイドの表現チェックがかなり厳しくなっていったことが明かされている。氏はそのことを非難するつもりはない、と繰り返し書いているのだが、そういった編集部とのギクシャクした関係が、結果的に作品のパワーを削いでいったところはあったのかもしれない。
そんな第五部ではあるが、自分の信じた正義を貫くためにギャング・スターになろうとするジョルノ・ジョバァーナを巡る物語をあらためて追いかけてみることも、そうわるいことではないなと思うのである。
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