世界を征服したあと、征服者は世界の面倒を見なければならないというのは、巧妙なレトリックではないかと思うけれど、なにしろ「世界を征服したい」のであって「世界を破壊したい」のとは違うのだから、「世界を征服してから、どうしたいのか」は大事な話だ。
本書は、さも「世界征服が可能かどうかを検証してみよう!」というお楽しみ的なタイトルをしている。前半部は実際に「あなたはどの征服者タイプ?」といった愉快な展開をみせるが、ラストに提示されるテーゼはあまりにもシニカル。なんでこんな風にマイルドに世の中を批判できるんだろう。その手腕に嫉妬した。

『「世界征服」は可能か?』[Amazon]