2007年07月11日

岡田斗司夫『「世界征服」は可能か?』

世界征服が実行するに値しなくなったのか、世界が征服するに値しなくなったのか、厭世的な気分の中でこの本を読み、考える。

世界を征服したあと、征服者は世界の面倒を見なければならないというのは、巧妙なレトリックではないかと思うけれど、なにしろ「世界を征服したい」のであって「世界を破壊したい」のとは違うのだから、「世界を征服してから、どうしたいのか」は大事な話だ。

本書は、さも「世界征服が可能かどうかを検証してみよう!」というお楽しみ的なタイトルをしている。前半部は実際に「あなたはどの征服者タイプ?」といった愉快な展開をみせるが、ラストに提示されるテーゼはあまりにもシニカル。なんでこんな風にマイルドに世の中を批判できるんだろう。その手腕に嫉妬した。

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posted by 多村えーてる at 19:44| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする