とどのつまりは、浸透と拡散、人が群れていく中での盛衰はオタク大陸にも適用された、というただそれだけのことなんだろうね。オタキング岡田斗司夫氏はオタク大陸は例外的にずっと続いていくと信じていた、と書いているけど、それは当事者だったからそう思いこみたかっただけで、やがて崩壊するものであろうことは予感していたはず。現に『ぼくたちの洗脳社会』でも最終章でそういった感じで世界はゆるやかに衰退していくと予見していたわけだし。とはいえ、それからわずか十年あまり。思いのほか早く消滅した。あっというまだった。それでも十年もったのは、この世の春としてはむしろ長いほうだったのだろうか。
オタクの世代論としては、「第一世代=特撮世代、第二世代=アニメ世代、第三世代=エヴァ直撃世代、第四世代=それ以降」だと思っていたけど、ガンダムまでが第一世代で、エヴァが第二世代に再分類されていた。過去は圧縮されていくものだから、それはそれでアリか。
今38歳から43歳くらいまでがヤマト〜ガンダムのアニメ世代と思うんだけど(うさんくさいアニメやうさんくさい世の中とつきあってきたギリギリ最後の世代。もう少し下のガンダム世代とはちょっと違う)、この世代に属するぼくは、少し前の世代の先輩たち(岡田斗司夫氏やロトさんの世代)が地ならしをしてくれるから、世の中がどこに転んでいったとしても、上の世代の最後尾についていけば愉快に老後も暮らせると思い込んでました。ところが近頃、上の方たちの雲行きがどうも怪しくなってきた気がする。個々の活躍はあいかわらずおさかんなんだけど、全体の動きとしては、どうも変な方向に向かっている。なりをひそめてしまっている感じ。愉快な国づくりはしてくれそうにない予感。先輩たちは、その沈みゆく船からさっさとどこかへ行ってしまったのかもしれない。
岡田斗司夫『オタクはすでに死んでいる』[Amazon]新潮文庫で再度文庫化された『オタク学入門』の巻末で、オタキングと富野御大将の対談収録。ガンダムは現代の神話になった云々はとってもよくわかる。それはともかく富野さんは新作やってるのかしらん。『リーンの翼』のノベライズを手がけているという話もあったけど、難航してるのかなぁ。
岡田斗司夫『オタク学入門』[Amazon]
posted by 多村えーてる at 19:15| 奈良 ☀|
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