
(A機)>ナイトメアフレームって、初めてじゃないですか。
(栄輝)>そうなんだよな。KMFのアンバランスなシルエットがピンとくるまでずいぶん時間がかかったんだよ。4メートル程度の人型ロボットにどうやってパイロットを乗り込ませるか、という命題の答えを「コクピットを後ろに飛び出させればいいじゃない」としたのがKMFなわけだけど、なんというか、そのアンバランスなシルエットをすごい発明だとは当時は感じられなかったんだよ。
(A機)>機体がやられるとコクピットだけすぽーんと後方に飛び出して脱出装置になるとか、デザインに即した描写はいろいろありましたよね。
(栄輝)>うん、まぁそのへんはがんばっていたのかもしれないけど、ランスロットのヒーロー然としたデザインと、KMFのちょっぴり寸詰まり感のある体型とがマッチしないというか。どうしても後ろにコクピットが飛び出してる異常さには結びつかなかった。そこを意識させないでキャラクター性を打ち出したデザインを積み上げていく方向にどんどん走っていたし。それはそれで面白さだったのかもしれないけど、そういったケレン味に走ったデザインは、KMFの最初のコンセプトとはちょっと乖離してるんじゃないかな、という気がしてた。
(A機)>コクピットの位置はアレクサンダも同じですよね。
(栄輝)>そこなんだよ! アレクサンダは、後ろに飛び出したコクピットを「昆虫の腹」に見立てることで、KMFコンセプトの異常性を異常なままにデザインに昇華してる。これはすごい発明だ。
(A機)>なるほど、インセクトモードの生理的な気持ち悪さは、KMFのアンバランスさの答えになってるわけだ。
(栄輝)>これもまた回答のひとつに過ぎないのかもしれないかもしれないけど、ともかくアレキサンダのコクピットの処理によって、はじめてKMFが受け入れられた気分なのよ。

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