
(栄輝)>この人は、自分の描きたいものを描き続けることができている漫画家さんの一人だと思う。でも、そのおかげでとっても苦労しているようにも思える。
(A機)>「独特の」としか言い様のない、独特の雰囲気を持っていますね。絵も、けっしてうまいわけではないし。これもヘタうまの範疇なんでしょうか。
(栄輝)>なんだエラソーに。いわゆるヘタうまとも、また違うような気がするね。でも、キライじゃないんだ。
(A機)>前にコミックキューで『リボンの騎士』のサイバー版みたいなの、ちょろっと描いてらしたじゃないですか。今回も「過去の話」ということで短編を挿入してますよね。なんだか、描きたいシチュエーションみたいなのがふと頭に浮かんで、そこだけ勢いで描いちゃう人なのかなって。
(栄輝)>『菫画報』なんて、連載内容自体がそういう雰囲気を重視していたわけで、真面目なストーリーモノを作っても、その姿勢は変わらないのかもなぁ。ヒラメキに浮気したくなる才能の部分と、きちっとまとめあげる才能の部分が、この人の中では常に拮抗しているんじゃないだろうか。描線が適当なようで緻密なようでよくわからないのも、そういう内面の産物のような気がしてきた。
(A機)>でもせっかくなので、もうちょっと連載続けて、じっくり読ませてほしいですね。