さべあのま『はにほへといろは』[Amazon] [bk1]
表題作をのぞいたら、こっちのほうがよっぽど『地球の午后三時』な作品集ですな(笑) 表題作が日本人の主婦が主人公だったので、こちらの作品集には日本が舞台の作品を集めたということらしい。いわゆる「等身大の女の子」がそれぞれの世代と時代に乗っかって描かれているわけだけど、今にして思うと、少しずつそういったものにシフトしていく過程で、「男の子」だったぼくは少しずつ「さべあ作品」から遠ざかっていったのかもしれない。さべあのまは、「等身大の女の子の気持ちをリアルに描いた漫画家」という評価のほうが高いのかもしれないけれど、ぼくにとってはやっぱり叙情漫画家さべあのまで、女の子の気持ちが描かれるのも、キャンパスライフが描かれるのも、そういった叙情的なモノからこぼれ落ちた何かだと受け止めていたのだろう。だから『3番目の季節』のラストページの「カメラが引いていくところ」にビンビンきていたのだと思う。
次の「さべあのま全集・第4巻」は『ネバーランド物語』。その次が『マービーとギジェット』かぁ。しばらくはそっち系の作品集が続くのね。『ネバーランド物語』も『ギジェット』も、単行本買った記憶があるんだけど、以前、いろいろと整理したときに手放しちゃったみたい。そのときの自分は、「俺にとってのさべあは『ライトブルーペイジ』と『地球の午后三時』があればそれでよい。さよなら、モト子せんせい!」とかなんとか、硬派なつもりだったんだろうな。
本人のサイトをのぞいてみたら、新作を描いているとの情報が。ほほう。
2004年02月09日
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