ether2001 / えーてる
神林長平先生の昨年秋に出た『オーバーロードの街』をようやく読み始めました。序盤から氏の思索がうかがえる内容で読み応えがある。ネットワークと人の関係が氏のもっぱらの対象だということを強く感じる。 at 03/13 21:15
ether2001 / えーてる
「ネット世界の人間は限りなく利己的に振る舞うのであり、他者が存在しない。正確には他者の肉体がない」という神林長平氏の指摘の的確さに恐れ入るばかり。「肉体が存在しないから、簡単に『死ね』と言える」。それがネットの特性なのだと氏は言う。 at 03/13 21:16
ether2001 / えーてる
思えば、『いま集合的無意識を、』で「さえずり」なるツイッターまがいのSNSについて語ったあたりから、神林長平氏の興味は、デジタルネットワークがここまで深く人の関係性に入り込んだ世界がどうなっていくか、だったのだと思う。 at 03/13 21:20
ether2001 / えーてる
言い換えるなら、現実世界があまりにもたやすくSFを踏み越えて変革していこうとする姿に、ストレンジなものを感じざるを得ない(観察と思索を続行する)という流れだったのではないか。 at 03/13 21:20
ether2001 / えーてる
去年春に刊行された『フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉』に出てきた、「任意の情報に対してネットでつぶやかれた情報をいい感じにまとめて参照できる(ネガティブ情報はフィルタリングされる)」検索機能「カイツマンダー」なるシステムは実に刺激的だった。数年内に誰かが作ると思えるシロモノ。 at 03/13 21:24
ether2001 / えーてる
戦闘妖精・雪風の第三部である『アンブロークン・アロー』があれほどに難解な作品となって、それ以降、神林長平作品はちょっと不調な気がしていました。その原因を探った時に、つまるところは東日本大震災というフィクションを超える現実に直面して書けなくなったのではないか、という仮説に言ったけど at 03/13 21:27
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まったくそんなことはないのだと思う。加速度的に変容していく現実世界に向けて、神林長平氏は今も立ち向かい続けている。最近の作品の難解さは現実世界の曖昧模糊の写し絵でしかなく、むしろ急カーブのコーナーを高速で回る現実世界にピタリと張り付く氏の思索力の結果だと思う。 at 03/13 21:29
ether2001 / えーてる
神林長平氏の『いま集合的無意識を、』以降の長編、『ぼくらは都市を愛していた』『絞首台の黙示録』『フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉』そしてまだ読み始めたばかりだけど『オーバーロードの街』。たしかにどれも手放しで評価できる傑作ではないかもしれない。しかし、だがしかし、 at 03/13 21:32
ether2001 / えーてる
驚異的な速度で変容する現実世界(決して上に向かっているとは言い難く、むしろ暗黒時代とも呼ぶべき混沌と停滞に向かうようであり、その一方でデジタルネットワークにより人の認識が圧倒的に変容する時代)、しっかりと立ち、見据え、時代を語っているのが神林長平作品なのだと思う。だから君も読め。 at 03/13 21:34