青春の過ちを描いた作品だったとあらためて思う。
1回目の視聴で衝撃だったシーン。
母親に向かってうつむきながら「私って嫌な奴だよね」とつぶやく主人公。
そばまで近寄って肩にそっと手をのせた母親が言う。
「そういうところもあるし、そうでないところも、ゆうにはあると思うよ」。
2回目の視聴でもこの返答はズガンときた。
「そんなことない、あなたはいい子よ」みたいなこと言わないんだよね。
でも母親に対して反抗的な態度を取ってたわけでもないんだよ。
このあと、ベランダに座り込んで大泣きする。
彼女が涙を見せるのは、この時だけだ(もしかしたら走り回っているところで少し泣いていたかも)。
トラペジウムは、過ちと、間違える自分自身を受け入れて前に進む物語。
それは不等辺な四辺形だったかもしれない。だがそれは、美しく輝く。
そんなこと、本人たちも気付いていなかったかもしれない。
シンジのカメラはそれを捉えていた。
エンドロールも、シンジがカメラを構え、大写しになるレンズ、そしてまだ何者でもなかった彼女たちの輝きを定着させたカットがラストに提示される。
これを「L判プリント」と称して配布する二週目特典。
2024年05月18日
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