2004年06月21日

神林長平のすべての原稿のテキストがほしい

『膚の下』に引き続き、『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』と読み返しているわけですが、ムラムラとすべてのテキストの全文検索がしたくなっています。

『膚の下』ではサンクという人造犬が主人公のパートナーとして活躍します。しかしながら、神林作品といえば猫が定番です。なぜ犬だったのかは、いくつかのインタビューであきらかにされているからともかく、過去の神林作品での犬の扱いはどうだったのだろう。これが気になってしかたがない。

また、『膚の下』には創造主に関する話がでてきて、「機械人アミシャダイにとって創造主は人間ではない理由」が懇切丁寧に解説されているけど、これのベースになる話題は『帝王の殻』でも登場します。アミシャダイはこのときから「自分の創造主は人間ではない」という結論に至っている。ではもっと過去の作品では、“創造主”を神林長平はどのようにとらえていたのだろう。はて他の作品ではどうなんだろう。『ライトジーンの遺産』ではどうだったっけ…。

こういった疑問を、検索ツールでビシッと解明したいと思う。
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2004年06月15日

宮昌太朗・田尻智『田尻智〜ポケモンを創った男』

表紙イメージ [Amazon] [bk1]

じつは、ポケモンが大ヒットして、続編(金・銀)がなかなかリリースされないでいた頃、「田尻氏はクスリ漬けになって任天堂が用意した専用病棟に隔離されている」というウワサを、ぼくは本気で信じていた。

そんなことがまるっきりのウソっぱちで、田尻智という人が今もクレバーに存在しているという、そのことが分かっただけでも、この本を読んだ甲斐があった。買ってからずいぶんと積ん読状態だったんだけどね。
 
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2004年06月02日

南陀楼綾繁『ナンダロウアヤシゲな日々 〜本の海で溺れて〜』

定有堂書店のお知らせページ

『ナンダロウアヤシゲな日々 〜本の海で溺れて〜』
著者 南陀楼綾繁
装丁/挿画 内澤旬子
無明舎出版 刊行  http://www.mumyosha.co.jp/
四六判・268頁・総額1680円
6月上旬発行予定

【内容案内】
 古書の世界に遊び、ミニコミ発行で四苦八苦、図書館で資料を漁り、メールマガジンを編集……。「本」に関わることならなんでも首を突っ込む編集者・ライ ターの南陀楼綾繁、初のエッセイ集。「sumus」「彷書月刊」「本とコンピュータ」「定有堂ジャーナル」などさまざまな雑誌、サイトで発表したもの に、書き下ろしを加えて刊行。パラパラマンガ付きです。
本コの河上進さんの本がでるようです。目次によると、最後の節のタイトルが“本の世界の「野次馬」でいたい”。なんとも河上さんらしいスタンスというか、「いい場所みつけてるな」と思った。なんと、あんばいさんの無明舎出版から出るのか。
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2004年06月01日

カサハラテツロー『RIDE BACK』第1巻

カサハラテツロー「RideBack」第1巻 [Amazon] [bk1]

むかしむかし、バイクに手足が生えたようなデザインのロボットがレースをくりひろげるという、VHDでしかリリースされない作品があった…。「RIDE BACK」の作者があの作品を知っていたかどうかはわからないが、バイクのような疾走感とロボットの融合の歴史は思いのほか古いものであるということは記憶に留めておこう…。

学園紛争、オルグやらゲバ棒やら、きな臭い近未来世界が舞台である。学生特有のごっこ感覚と、若者ならではの純粋な真剣さと、そういうあいまいでゴリゴリしたものにじわじわと巻き込まれていく主人公。月刊誌の連載は、密度があるようで緩慢なようで、描くべき情報量やドラマの積み重ねが、微かではあるのだが、はしょられているような気がしてならない。もっとじっくりと描くことはできるハズなのだ。せっかく用意したさまざまなエレメントが、血肉を獲得する前に物語が消化されてしまうような。もったいない。

日常が少しずつ非日常と重なっていくような、この手のフォーマットはゆうきまさみが『機動警察パトレイバー』などで完璧なフォーマットを構築してしまった印象がある。どうしても比べてしまう。週刊連載フォーマットで、もっとまったりと状況が積み重ねられて、1巻のクライマックスが3巻目にようやくやってくるような、そんな引っ張り方をしたほうがこの作品は面白いんじゃないか。もっとも、やや軽めのキャラクター造型が作者の持ち味といえないこともないので、これはこれでいいのかもしれない。評価が揺れる。

この呪縛から逃れるには、もっとライドバックというメカニックの疾走感を強く押しだし、同時に大学という場所の存在の危うさを浮き彫りにするような、そんな明暗のはっきりした描き方をしたほうがよかったのかもしれない。

天才バレエダンサーが事故をきっかに引退、ライドバックに出会うことでアイデンティティを回復していく…という物語。これも、ある種の貴種流離譚と呼べるのだろうか。

ところでこのタッチ、どこかで見たなと調べてみたら、あー、『ヴァイスの空』の人でしたか。

カサハラテツロー/あさりよしとお『ヴァイスの空』全1巻 [Amazon] [bk1]

さらに本人のサイトを発見。
カサハラテツローといっしょ
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2004年05月31日

森薫『エマ』第4巻

森薫『エマ』第4巻 [Amazon] [bk1]

「くわっ、そうきたか、森薫奴っ」の第4巻(笑)
よくもここまで劇的に再会させたものであります。
それにしても、両者の精神状態をここまでボロボロに追いつめての再会。
どっちかというと最悪のタイミング。
おかあさまが理解を示してくれているようなのが、唯一の希望でしょうか。
エレノア嬢にはどちらにせよ泣いていただくしかないわけで…。

これだけ盛り上げておいて、物語は両親の出会い編にシフト。
なんというお預け状態。おーのー、懊悩。

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ふくやまけいこ『ナノトリノ』第2巻

ふくやまけいこ『ナノトリノ』第2巻 [Amazon] [bk1]

リュウにゼリービーンズの一作目が掲載されたときからのファンであります。『ふくやまジックヴック』をひさしぶりに取り出して眺めましたが、ここに掲載されている短編や落書きに、当時は相当影響を受けたものです。なんだかんだで、もう20年以上になるんですねぇ。彼女も紆余曲折あったけど、まだ漫画家として新作(それも魅力的な!面白い!)を発表し続けているということは、とても大切な宝なのではないかと思う今日この頃。

彼女がどういう経緯でポケモンの仕事をするようになったのかは知らないけど、一時期は「このままポケモン関連イラストレーターになってしまうのかしらん」と心配したものです。
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2004年05月26日

織田作之助『青春の逆説』

青空文庫の図書カード:No.732

先日、仕事の待ち時間に何の気なしに azur で読み始めたら、面白くてとまらなくなり、Palm に転送して PooK にて続きを読んでいる。あと数ページで終了すると思うと、なんだかもったいない気持ちになってきた。

少し変わり者のお君の描写から物語は始まるが、そのうちフォーカスは息子の豹一にシフトしていく。今みると、「第一部 二十歳」と書いてある。「なぜお君から豹一にシフトしていくんだろう?」と首を傾げながら読んでいたのだが、なるほど、豹一が二十歳になってとある修羅場に直面するところまでが第一部だから、最初から豹一が主人公だったわけだ。京都や大阪の町名がたっぷりと出てきて、当時(昭和10年頃?)の風俗をまったりと楽しみながら読んでいくうちに、第一部のクライマックス。狂気の一歩手前で数を数え続けるところで「第二部 青春の逆説」と来た日には、正直しびれたね。オダサク格好よすぎだよチクショー。

豹一の屈折した性格は、ともすればウチに籠もってしまいそうなものだが、その鬱屈を燃料にして、だからこそ俺は道をふみはずさなければならないのだ、とばかりに突飛な行動に出る主人公は、まったく他に類をみないユニークなキャラクターである。最初はハナタレ坊主のような印象だったが、いつのまにかまつげの長い美少年に。男前は身を助く。鬱屈していても、顔がいいばかりに、いろんな女性が好意的に誤解してくれるのだ。なんといううらやましい。いや、そのうらはらな展開が彼を苦しめるのだけど、その齟齬がまたおもしろいわけ。

「オダサクは“ちくま日本文学全集”を読んでいるから大丈夫」と思っていたのだけど、確認したらこの作品は収録されていなかった。

大局をみる目がまるでなく、目の前の鬱屈にイライラとしているあたりは、ゼータガンダムのカミーユ・ビダンに通じるものがあるかもしれないね(彼は最終的にはちょっと無理して、大局に身を投じたフシもあるけれど)。まだ結末を読んでないのでなんともいえないけど、今の様子をみるとカミーユほどにエスカレート(そして瓦解)することはなさそうだけど。昨年から神林長平の作品を順番に読み返しているんだけど、それが終わったら、織田作之助を読み返すのもわるくないな。
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2004年05月22日

神林長平『膚の下』読了

膚の下
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慧滋は啓示。

毎日の通勤電車で少しづつ読み進めて、
だんだんと終わりが近付いていくのが惜しくなって、
「今日の帰りの電車で終わるな」と思って、
そのとおりになった。

本を閉じて、目を閉じる。
じんわりと何かがこみあげてくる。
いかん。どうも涙腺が弱くなっていかん。
ずっと神林長平を読んできてよかったなぁとしみじみ思った。
「ようやくここまでたどりついた」といったフレーズが何度も
出てきたけど、本当にそんな気分だ。
高校生になるころに彼に出会い、
十代のウチに『七胴落とし』を読むことができた。
ほぼリアルタイムに彼の新作に触れることが出来て、
こうして『膚の下』を読み終えることができた。
なんというすばらしいことだろう。

先日、この『膚の下』に表紙を合わせた『あなたの魂に安らぎあれ』を
買った(『帝王の殻』はみつからない。家には単行本があるから、
それほど心配はしていない)。

神林長平『あなたの魂に安らぎあれ』[Amazon] [bk1.jp]
(なぜか bk1 にはデータがない。また、表紙は前の版のまま)

調べてみると、当時、単行本が出たのが1983年。
21年ぶりに読み返す、ということになる。
あのくそったれな十代の自分は、
「神林長平が長編を書き下ろす」というニュースに心躍らせ、
手に入れた日には夢中になって読み進めた。
読み終えたときに、なにかスゴイ体験をしたような気分になって、
以来、寄せ書きに添えるメッセージは「あなたの魂に安らぎあれ」だった。
何も知らない人には、宗教じみて見えたかもしれない。
実際、信仰の問題だと言ってもいいから、
そのとおりなのだろう。
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2004年05月20日

2004年05月13日

神林長平『膚の下』読書中につき

膚の下
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1ページ読み進むごとに「劇的である」と感じる。

全体700ページ弱のうちようやく220ページまで辿り着いた。毎日の通勤電車で読むのが日課なので、サクサクと読み進められないのがなんとももどかしい。

最初、この物語は「悲劇」が描かれるのかと思った。慧滋軍曹と間明少佐の気持ちのすれ違いに衝撃を受けた。しかし、慧滋がその気持ち(憎しみ・嫌悪)を高める前に、間明少佐は退場を余儀なくされる。再登場があるのか気になるが、慧滋の記憶と経験の中に間明少佐が確実に存在していて、慧滋は思考を巡らせるたびに間明少佐の真意を理解していく。だから間明はそこにはいなくても、たしかにいる。

間明と慧滋は擬似的な親子の関係を思わせるが、物語はそこに逃げない。むしろ、親子のような関係ではない、と否定するのだ。しかしそこに、親子の関係について思いを馳せることは可能だろう。上司と部下であったり、教師と生徒であったり、目上の世代と若い世代であったり。

ブ厚く重い本書は、持ち歩くのにも不便で、限られたカバンの中を占有する。「テキストデータで販売してくれないかな」と思うことしばし。こちらとしては PEG-TH55 で読むことにはとりたてて抵抗感はないのだ。シグマブックよりもはるかに嵩張って重量のある本は、世の中にはたくさんある。津野海太郎氏は、ブ厚い本はその日に読む分だけ破いて持ち歩いたというが、それはそれでどうかと思う。が、この物理的な質量を抱えて暮らすということも、今はこの本を読むという体験の一部であることは間違いないので、そのこと込みで受け止めていくしかない。これは、テキストデータを Pook で読む行為はヴァーチャルなものであると言っているわけではない。この本はそういう属性も備えているということを述べているにすぎない(と、神林調に書いてみる)。

「膚の下」を検索キーにやってくる人がけっこういる。どうやらネットでこの作品のことを取り上げているところが他にあまりないようだ。なんともったいない。
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2004年05月10日

さべあのま『ライトブルーペイジ』

さべあのま『ライトブルーペイジ』
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あの黄色い表紙の本に出会わなかったら、自分の十代はちょっと違ったニオイをしていたかもしれないと思うことがあるんだけど、本当にそうだったかは今となってはわからない。
あの黄色い表紙の本を大切に読んでいたら、高校で出会った先輩が「ぺけ」やら「コミックアゲイン」やらを愛読していて、それらをきちんと保管していたことを知る。この人にとってもそうなんだなと分かって、ウレシイ気持ちと、ほんのわずかに敵愾心。叙情的な感性は、彼の方が圧倒的に磨きがかかっていたから、彼から盗めるものなら盗みつくそうと、彼に惹かれ、彼を追いかけたこともあった。

あとがきに、収録予定されていた「ピリオド風」が収録できなくなったと書かれていた。黄色い表紙の『ライトブルーペイジ』を確認してみる。なるほど、原因は「G」ですか。ああ、この作品が入らないなんてちょっともったいないなと思う。そのかわり、同人誌時代の作品を読むことができたのでよしとする。

さべあのま全集もこれで完結。彼女のあとがき解説を読んでも、気持ちよく過去を振り返り、気持ちよくアーカイブされた印象。

最近の彼女の活動は、オフィシャルサイトでうかがうことができる。

昨年刊行された『こぐまんが』に載っているのが、最新の“漫画”ということで、こちらもチェックされたし。
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2004年05月01日

的場健/金子隆一『まっすぐ天へ』第1巻

まっすぐ天へ
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軌道エレベータというちょっと毛色の変わったテクノロジーを、デブリ問題の解決手法と結びつけてしまったところがじつに面白い。
スペースデブリを扱った作品といえば、『プラネテス』がすっかり有名になってしまったが、『第六大陸』あたりでもなかなか斬新な手法が紹介されていた。巨大なスチールウール状の球体でデブリを捕獲するという方法だった。

小川一水『第六大陸』

第六大陸
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また、軌道エレベータというと人によってはいろいろだが、個人的には「宇宙空母ブルーノア」なんてのを思い出してしまったのが情けなかったり。「超時空世紀オーガス」も軌道エレベータが出てきたように記憶しているのだが、ちょっと自信がない。

「日本国内で宇宙にイチバン近い場所」の組織の中にも、たいして宇宙に情熱を感じていない奴(理系の「あがり」としては最高だから云々)、ひょんなことから人前に立つことになった主人公が「売名行為のスタンドプレー」と罵られたりと、とっても日本的なぬるま湯っぷりが主人公の障壁になるあたりが、じつにやるせない。人が一生懸命書いた企画書をゴミ箱に捨てるんじゃないよまったく(;´д⊂ 
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2004年04月29日

あずまきよひこ『よつばと!』第2巻

あずまきよひこ『よつばと!』第2巻
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「だまれこわっぱ!」

いやー堪能堪能。仕事がえりの電車で読んで、ひさびさに笑いを堪えるのに苦労しました。マジで「次の駅で降りて大笑いしようか」と思ったくらい。
『よつばと!』の第2巻であります。登場人物の個性が少しずつ明らかになってきましたが、風香、君のTシャツの趣味はすばらしすぎる(笑)
「子供の天真爛漫さはオトナからみると一種のファンタジーである」というのは、わりと使い古されたテーマなんだけど、『よつばと!』のサジ加減は、ありがちな、たとえば小田扉の『団地ともお』あたりと比べてもまったく異質な快感原則を持っているような気がする。1巻を読んだときから思っていたけど、かなり巧妙に計算された構成になっているような気がする。とてもうまい。たのしい。気持ちいい。

最近はいそがしさにかまけて、何度も同じ漫画を読むといったことが少なくなっているんだけど、『よつばと!』は思わず手が伸びる。いわゆる記号としてのリアルをまとったキャラクターをじっとり眺めるのも好きだし、緩急自在なタイミングを味わうのも楽しい。登場人物が「ビクッ」とする回数を数えるとか(笑)

それにしても、この話って、物語の初めからほとんど時間が経過してないんですな。ずっと夏の物語。でも、ちょっとずつ、わずかずつ時間が進んでいく。「終わらない夏」ではなくて、いつか終わることが約束された夏なんだろうな。子供って奴は本当に毎日成長し、変化していくものなんだけど、よつばがファンタジーな存在でいられる時期って、きっととても短い期間だけなんだろうな。
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2004年04月27日

復刊にまた一歩ちかづいた!『レゴの本』

『レゴの本〜創造力をのばす魔法のブロック〜』(復刊ドットコム)

復刊ドットコムからはコマメに状況報告が届いていたんだけど、内容は「ひ・み・つ」としか書いてなかったのよね。今日のメールでついに“海外著作権の契約を完了いたしました。年内の復刊をめざします。”とのメッセージが! ヤフオクでたまに出品されては異常なほどの高値高騰を続けていた本だけに、うれしいしらせであります。

そういえば、『レゴブックミュージアム』のVol.2 は、今年の2月頃刊行予定だったと思うんだけど、どうなったんだろう?

レゴブックミュージアム
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2004年04月23日

神林長平『膚の下』

膚の下
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「はだえのした」と読む。ひさびさに読み応えのありそうな大作。主人公の名前も素では読めそうになく、「これぞ神林」って感じがひしひしと(笑) 登場人物の名前は電話帳をめくって探していると、何かのインタビューで答えていたことがあったけど、あれって本当なのかしらん。ふむん。

火星三部作完結編ということなのだが、思えば氏にとって初の長編作品だった『あなたの魂に安らぎあれ』は、最初に単行本で一度読んだきり。いったい何年前になるのか。それから『帝王の殻』もあの重い単行本を持ち歩きながら読んだのは、大学生の頃だったか…。

本の帯には、上記2冊のものらしい表紙が掲載されているのだけど、今回の装丁に合わせた雰囲気の写真をあしらったものになっている。これは文庫版が表紙を変えてでるということだろうか。どちらも単行本は手元にあるけど、文庫がでたら買い直して読み返すことにしよう。
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2004年04月14日

西島大介『凹村戦争』

凹村戦争
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「凹村」と書いて「おうそん」と読む。いつかまとまったカタチで彼の作品を読みたいと思っていたけど、『凹村戦争』が西島大介氏にとって初単行本で初書き下ろし長編のようですね。登場人物がみんな名字に「凹」がついているのがなんともおかしい。

西島大介って、なぜかウエダハジメと同じカテゴリでとらえてしまうのは、どちらもいかにも富野の子って印象があるからだろうな。それも鬼子のように思えるのだけど。

ウエダハジメ『Qコちゃん THE地球侵略少女』第1巻
Qコちゃん
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どちらも、でたらめな世の中をでたらめにあばきながら疾走する青春漫画。十代の自分が宝物にしそうな一冊。
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2004年04月09日

さべあのま『マービーとギジェット』

さべあのま『マービーとギジェット』
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88年に2冊同時刊行された『マービー』と『ギジェット』。そういえばそんなこともあったなと思い出すんだけど、なぜ自分の家にそれらが残っていないのかが分からない。どんな話だったか皆目思い出せなかったんだけど、読み進めるうちに印象に残っていたいくつかのシーンが思い出されました。うん、やっぱり読んでいる。

物語がまとまっている『ギジェット』はともかく、『マービー』のほうはほとんど物語の舞台を紹介した程度で終了。さべあさん本人が「一年だけ連載させてください」と編集部に頼み込んで、それなりに人気があったのに一年できっぱり終了されてしまったそうですが、なんとももったいない話です。どうとでも続けられるフォーマットがそこにはあるのにさ。
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2004年04月08日

唐沢なをき『新・電脳なをさん』第1巻

唐沢なをき『新・電脳なをさん』第1巻
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(A機)>並製本でカラーページもなくなってしまいました。あとがきに少し経緯が書いてあります。
(栄輝)>ようは唐沢なをきといえども、そこまで酔狂できるほど部数が出ないってことなんだろう。
(A機)>第6巻ってするよりも、新1巻ってしたほうが新しい読者を獲得しやすいのかな、なんてことも思ったりしましたけど。
(栄輝)>それもあるだろうな。しかしなんだな、漫画の神様が登場するエピソードが、最近発売された『ケロロ軍曹』の8巻でも収録されているけど、この扱い方の違いはすさまじいな。
(A機)>いまさらあともどりできないって感じですね。
(栄輝)>マネーの虎ネタとか小津ネタとかが今回ツボだったかと。
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2004年04月07日

『日本オタク大賞2004』

『日本オタク大賞2004』
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(A機)>けっきょくこういう本も買ってるのね。
(栄輝)>んー、昨年は無視したんだけど、今年のはほら、片岡たんも受賞しているし、年表の部分なんて、資料的価値もけっこうあるかなぁと。
(A機)>言い訳、言い訳。なにもかも言い訳。
(栄輝)>なんだよー、読むんだからいいじゃねーかよー。
(A機)>ってゆーか優先順位入れ換えて先に読んでるじゃないですか。
(栄輝)>旬のモノだから、さっさと読んでしまうほうがいいんだよこういうのは。
posted by 多村えーてる at 18:41| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マーク・エイブラハムズ『イグ・ノーベル賞』

『イグ・ノーベル賞』
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(A機)>あー、また高い本買ってきて。
(栄輝)>だってあのバウリンガルも受賞したというイグ・ノーベル賞だよ? あの賞について詳しく書かれている本があるなんて、読んでおきたいじゃないか。
(A機)>どうせしばらくは積ん読じゃないですか。他にもいろいろたまってるでしょうに。
(栄輝)>いやー、新聞で紹介されていた『絶滅していく言語を救うために』って本が気になるんだけど、7千円もする本なんだよな。こいつに比べたらたいしたことないかと…つい。

クロード・アジェージュ『絶滅していく言語を救うために』
『絶滅していく言語を救うために』
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2004年03月25日

『ヨコハマ買い出し紀行』

芦奈野ひとし『ヨコハマ買い出し紀行』第11巻[Amazon] [bk1]

『ヨコハマ買い出し紀行』第11巻

ココネもタカヒロも通り過ぎていく。ゆっくりと滅んでいく世界で、誰もが歳を重ね、アルファさんだけがそのままでいる。
posted by 多村えーてる at 18:24| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月17日

神林長平の最新刊『膚の下』予約受付開始

膚(はだえ)の下 [Amazon]

bk1はまだの様子。Amazon で予約しちゃおうかなぁ。
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2004年03月09日

神林長平『麦撃機の飛ぶ空』

神林長平『麦撃機の飛ぶ空』
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神林長平『麦撃機の飛ぶ空』

ずっと単行本にまとまる気配のなかった短編をひろいあつめた作品集。

ヒヨコ舎なるマイナー出版社からのリリースなので、神林長平に優しい書店でないと入荷しなかったり即返されてるかも。うっかりすると入手困難になる可能性も高いので、早期入手するべし。

並製だけど紙ジャケットをつけて感じのいい装丁にまとめあげているね。値段が高いのは…むう、星雲社を通しているんじゃ仕方ないか。
posted by 多村えーてる at 18:47| 奈良 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月08日

さべあのま『ネバーランド物語』

さべあのま『ネバーランド物語』
[Amazon] [bk1]

さべあのま「ネバーランド物語」

全集の第4巻。単行本を読んでいるハズなんだけど、すっかりキレイに記憶から消え去っていたので(やれやれ)、新鮮な気持ちで読むことができました。当時はいよいよこっちの方に向かっていくさべあ作品をどうしたものかと感じていたに違いない。さべあさんの作品って、どんどん柔らかくておだやかでゆるやかであたたかくて…そんな風になっていったんだよね。登場人物が胸を痛めて枕元で泣いていても、どこかやさしい空気が流れているような。若い男性には、それがぬるさに感じられても仕方ないと思わないか? 結婚して子供ができてしまうと、そんな視点のゆるぎないところが、かえって安心できたりするわけで…。

あとがきで少し触れているけど、たしかにこの作品は1本のアニメ作品にすると気持ちいいだろうなぁ。今の技術なら、この作品を見事に料理することだってできるだろう。うまい媒体に乗れば、そういう方法もあるんじゃないかなぁ。さべあ作品再評価から、そんなアクションにつながっていったらおもしろいのに…と思う今日この頃。
posted by 多村えーてる at 18:11| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月03日

坂口尚『紀元ギルシア』

坂口尚『坂口尚短編集 第2巻・紀元ギルシア』
[Amazon] [bk1]

坂口尚『紀元ギルシア』

何となくもったいなくて買いっぱなしになっていた坂口尚全集をぼちぼち読み進めています。

この本のタイトルは覚えている。当時、単行本も買ったはず。なのに、その記憶がぽっかり欠落しているのはなぜだろう。たぶん、坂口さんのやろうとしていたことに何か抵抗感があったんだろうなぁ。十代半ばのガキンチョだったから、ほとんど理解できてなかったのかもしれない。

漢字と音の組み合わせを、ぼくたちの知っているモノから微妙にスライドさせて取り扱う表現は、たしか士郎正宗氏が『仙術超攻殻オリオン』でやっていたなぁとぼんやり思ったんだけど、ギルシアのほうが5年以上先にやってるわけで、ひょっとしたら士郎氏も参考にしていたかもしれない…なんて思ったり。

もっとも、「来夢来人」なんて喫茶店はずっと昔からあったわけで、元々横文字文化が日本に入ってきたときにフランスを「仏蘭西」って表記したりと、日本人はそういう言葉の工夫と変容を繰り返してきたわけで、いつの誰がオリジン、なんて判定は詮無い話かもしれない。

坂口さんの描くキャラクターは、黒目に一本横筋が入った、独特の瞳が印象的で、本編の主人公もやはりいつもの「坂口顔」をしている。ライバルキャラの描き方などはかなり大友克洋テイストが混入されているような印象を受ける。意識していたかどうかは別にして、そういう時代だったんじゃないかなぁと当時を思い返す。

この作品に出てくるメカはどれも魅力的だ。最近、攻殻機動隊の食玩が発売されて、タチコマのミニチュアがたいへん人気を集めているわけですが、ふと、坂口メカも精密なフィギュアとして立体化されないかなぁって。ワンフェスあたりでは、じつは坂口メカの造形にも出会えたりするのだろうか。

追記:コメントいただいてちっとも返事書けませんが、みなさまいつもありがとうございます。
posted by 多村えーてる at 17:45| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月02日

『ポケットモンスターSPECIAL』第17巻

日下秀憲/山本サトシ『ポケットモンスターSPECIAL』第17巻[Amazon] [bk1]

ルビー・サファイア編はマジでおもしろいよ。それにしてもサファイアはその蛮勇っぷりに磨きがかかって、頼もしいことこのうえないね(笑)
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2004年02月27日

倉田英之『R.O.D』第9巻

倉田英之『R.O.D』第9巻[Amazon] [bk1]

『R.O.D』第9巻

最新刊なのであります。君が本を愛する人間ならば、この作品は読んでおかなくてはならない。…のであります。いますぐ全巻そろえたまえ。
posted by 多村えーてる at 21:20| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月26日

手塚治虫マガジン

なぜかアトムの子ではないのですが、手塚の子なんで毎月読んでます。

雑誌の付録ブームに乗って、とうとう来月は付録がつくらしい。でもってまたもや増ページで定価も100円アップ。豪ちゃん連れてくるとか、いろいろ新機軸を考えているみたい。

ページ数も増やさないでいい、おまけもいらない。値段据え置きでがんばってくれないものか。

こんなカートに入れるじゃなくて、普通に公式サイトつくってもいいと思うんだけどどうか。
posted by 多村えーてる at 13:51| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月24日

『ハッブル宇宙望遠鏡で見る驚異の宇宙』

『ハッブル宇宙望遠鏡で見る驚異の宇宙』[Amazon] [bk1]

ハッブル宇宙望遠鏡で見る驚異の宇宙

昨年の『星がとびだす星座写真』[Amazon] [bk1] に引き続き、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した超絶に美しい宇宙の映像がステレオグラムになった。『プラネテス』を読み終わったらそのままこの本を開いて宇宙を旅しよう。

もう、何も考えずにレジに持っていったね。

天体観測をするときって、30分は暗闇に目を慣らす必要がある。よけいな光源が目に入らないように当然、暗い場所を探していくことになる。

星を見上げるとき、足元は宇宙よりも真っ暗なのだ。

『プラネテス』第四巻、ロックスミス氏がハチマキのメッセージを聞いているときのシルエットをみて、そんなことを思い出した。
posted by 多村えーてる at 18:44| 奈良 ☁| Comment(1) | TrackBack(2) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月23日

幸村誠『プラネテス』第四巻

幸村誠『プラネテス』第四巻[Amazon] [bk1]

カラーページふんだんに使って、最終巻。いちおう「第一部完結」ってことになっているけれど、幸村氏は果たして続きを描くだろうか? その必要を感じないと言うと語弊があるかもしれないけれど、一生プラネテスのエピソードを描き続ける必要はないのだし、また新しいテーマに向かっていってもらいたいと思う。

『プラネテス公式ガイドブック』[Amazon] [bk1] もいっしょに買うべし。
posted by 多村えーてる at 17:49| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月22日

小田扉『男ロワイヤル』

小田扉『男ロワイヤル』[Amazon] [bk1]

小田扉に気が付いたのが2002年の8月。当時のログを読み返してみたり(22日頃参照)。

あれから、気が付くとメジャー誌にガンガン起用されるようになって、彼はそれを器用にこなしている。これはスゴイことだ。

ふと、そういえば黒田硫黄っていま何やってるんだろうって。ちゃんと描いてます、彼?
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2004年02月20日

どららああ〜ッ! グレート。

荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険/ダイヤモンドは砕けない(第四部その1)』第十八巻(集英社文庫版)[bk1]

ジョジョの奇妙な冒険18

92年の連載だそうである。すでに10年以上経過しているということに素直に驚く。舞台となる年代が1999年なのだが、そういえば当時これは近未来の物語なんだとぼんやり思ったのを思い出す。

「ジョジョ」はジョースター家の血統が年代を重ねるに連れて、少しずつ時代を移していったわけだが、第三部で現代に追いついてしまった。「第四部からは未来を描くんだ。荒木の考える未来社会とは?」と、期待したりもしたっけ。もっとも、荒木本人もあまり時代を超えて空想の未来を描くのは本意ではなかったらしく、最新作「スティール・ボール・ラン」では時代を一周させて過去に巻き戻してしまった。

さて、ジョジョといえば、個人的に印象深いのは第2部。単行本はうちには第3部までしかない。そのころジャンプをマメに購読していたのと、たまたまキリがよかったこともあって、買うのをやめてしまったのだ。

この第4部は、ひとつの街が舞台となってさまざまなエピソードが重ねられていく構成となっており、どの話も小粒ながらバラエティに富んでいて、毎週楽しかったのを覚えている。作者も第4部はとくにお気に入りらしい。

ちなみにダイヤモンドは…かなづちでこなごなに砕ける(1へえ)。
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2004年02月16日

スペース・タクシーにスネークアイのデザインソースをみた

中冨信夫『驚異の独創NASA航空機大全』[Amazon] [bk1]

脅威の独創NASA航空機大全

(栄輝)>貴重な写真が多数収録!と思ってよくみたら、キリヌキだったりロケット炎が書き加えられていたり、何かに載ったイラストだったりと、嘘か誠か紛らわしい画像もいくつかあったりするのな。
(A機)>またそれがなんともいえない魅力なんですが。
(栄輝)>この時代にこの胡散臭い画像の数々は、けっこうクるものがあるよ。ある雑誌のコピーそのまんまだけど「なにも考えずにレジに持っていった」ですわ。
(A機)>ちょっとはサイフと相談してから持っていくよろし。
(栄輝)>本だけは一期一会、であった瞬間に買わないとダメ。ちょっとカラダ弱ってたから、何か栄養分を補給したかったっていうのもあるし。それはともかく、つらつらとながめていたら、けっこうスゴイものを発見したよ。
(A機)>あー、それが「スネークアイのデザインソース」って奴ですか。
(栄輝)>そう。「スペース・タクシー」ってスペースシャトルみたいな機体の開発試験機なんだが、こいつがもう、ばっちりそっくりなのよ。
(A機)>あのクジラのようなデコっぱちに、四角いセンサーがついている奴ですね。開発試験機っていうのは無人だったのかな。ざっとあたってみたんですが、このタイプの写真ってネットでは見当たらないですね(探し方が足りないのだろうけど)。「SPACE TAXI」だと完成予想図、つまり人が乗り込むようになっているタイプだと、スペースシャトルのような普通の窓がついてる、こっちの画像ならけっこう見つかるんですが。

スペースタクシー

(A機)>こっちにおおきな画像を置いときます。
(栄輝)>スネークアイのデザインにイメージソースがあったなんて、聞いたことなかったんだけど、実際のところどうなんだろうね。この本に載ってる写真をみるかぎりでは、クリソツとしか言い様がないんだけど。
(A機)>マシーネンな人に聞いてみたいですね。でもそういうのって、聞くだけ野暮かも。
(栄輝)>そうだな。
posted by 多村えーてる at 19:38| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月11日

桜玉吉『読もう!コミックビーム』

桜玉吉『読もう!コミックビーム』[Amazon] [bk1]

桜玉吉『読もう!コミックビーム』

先月からビームの連載も復活した桜玉吉。前作の連載終了後(というか実質休載扱いか)もコレと『ゲイツちゃん』[Amazon] [bk1]だけは地道に執筆続けていたわけで。

しかし後半になるにつれて、ビームのことなんてどうでもよくなっていくというか、ただただ玉吉が何か描いている、という状況になっていくのがなんともおかしい。思わず定期購読したくなるね。本誌を読みたいってあんまり思わなかったりするんだけど。最近は森薫の『エマ』とか、唐沢なをきの作品も載っていたりするし、竹本泉もあいかわらずだし、吉田戦車は連載が終了したんだっけ。漫画雑誌としてはけっこうがんばっているんじゃないかな。オンリーワンのポジションにあると思う。コミックフラッパーと双璧か(笑)。

表紙に箔押し入れたり、『ゲイツちゃん』の窓アキジャケットもそうだけど、やたらと気合いの入った装丁もたのしいですな。
posted by 多村えーてる at 22:23| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月10日

長谷川裕一『轟世剣ダイ・ソード』

長谷川裕一『轟世剣ダイ・ソード』第四巻[Amazon] [bk1]

長谷川裕一『轟世剣ダイ・ソード』第四巻

文庫版もいよいよ完結。これからドキドキしながら読みます。

たまに長谷川裕一の画風が受け付けないっていう人がいるけど、よっぽど漫画を読み慣れていない人なんじゃないかと思う。手塚治虫すら読んだことがないんじゃないかって。彼の描線の隙間を読みとるんだ。
posted by 多村えーてる at 15:22| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月09日

神林長平『天国にそっくりな星』がハヤカワ文庫に

神林長平『天国にそっくりな星』[Amazon] [bk1]

神林長平『天国にそっくりな星』

光文社文庫用に書き下ろされた当時の作品群は、出版社が違うからなのか何なのかわからないが、ハヤカワの神林作品とはあきらかに毛色が違っていて、けして上出来とは言えない、神林ファンとしても首を傾げたくなるような作品がほとんどだった。それも今となってはすべてハヤカワ文庫に収録されてしまい、おしなべて神林作品という括りになってしまった。新しいファンは清濁あわせのむの気持ちで全作品を読むことになるね。長らく再版されていない作品も、そろそろ再版してほしいところ。

で、そんな珍妙な光文社文庫の神林作品の中でも、『天国にそっくりな星』はわりと気に入っていた作品。いつもどおりの、神林ワールドが展開していく中で、ひときわ飄々としていた主人公は、ちょうど『帝王の殻』とかかったるい作品が続いていた中で、絶妙のカウンターだったのだ。

それにしても、神林長平をセカイ系なる珍奇なジャンルに分類するのはあまりにも不粋だねぇ。「迷惑一番」や「ルナティカン」でわざわざ深井零にからめたキャプションを入れたりしていたけど、そうまで姑息になる必要があるのか二十一世紀。
posted by 多村えーてる at 19:16| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

さべあのま『はにほへといろは』

さべあのま『はにほへといろは』[Amazon] [bk1]

さべあのま『はにほへといろは』

表題作をのぞいたら、こっちのほうがよっぽど『地球の午后三時』な作品集ですな(笑) 表題作が日本人の主婦が主人公だったので、こちらの作品集には日本が舞台の作品を集めたということらしい。いわゆる「等身大の女の子」がそれぞれの世代と時代に乗っかって描かれているわけだけど、今にして思うと、少しずつそういったものにシフトしていく過程で、「男の子」だったぼくは少しずつ「さべあ作品」から遠ざかっていったのかもしれない。さべあのまは、「等身大の女の子の気持ちをリアルに描いた漫画家」という評価のほうが高いのかもしれないけれど、ぼくにとってはやっぱり叙情漫画家さべあのまで、女の子の気持ちが描かれるのも、キャンパスライフが描かれるのも、そういった叙情的なモノからこぼれ落ちた何かだと受け止めていたのだろう。だから『3番目の季節』のラストページの「カメラが引いていくところ」にビンビンきていたのだと思う。

次の「さべあのま全集・第4巻」は『ネバーランド物語』。その次が『マービーとギジェット』かぁ。しばらくはそっち系の作品集が続くのね。『ネバーランド物語』も『ギジェット』も、単行本買った記憶があるんだけど、以前、いろいろと整理したときに手放しちゃったみたい。そのときの自分は、「俺にとってのさべあは『ライトブルーペイジ』と『地球の午后三時』があればそれでよい。さよなら、モト子せんせい!」とかなんとか、硬派なつもりだったんだろうな。

本人のサイトをのぞいてみたら、新作を描いているとの情報が。ほほう。
posted by 多村えーてる at 12:59| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月08日

さべあのま『地球の午后三時』

さべあのま『地球の午后三時』[Amazon] [bk1]

さべあのま『地球の午后三時』

さべあのま全集の第2巻。先月刊行されていたのをようやく買いました。
本のタイトルが過去の単行本と同じなので、てっきり同じ内容だと思いこんでいたのですが、今回の全集化にあたって、ずいぶんと大胆な入れ替えが行なわれていたのですね(巻末にリストが収録されています。第1巻『モト子せんせいの場合』にもちゃんと載っていたのに、忘れていました)。

当時の単行本を繰り返し愛読したファンとしては、まずいきなり『ミス・ブロディの青春』が収録されていることに面食らうわけです。これって、自分にとって至高の存在であった「叙情漫画家さべあのま」が、どんどん違う作風に進んでいった時期の作品じゃないですか。ところが、読み進めていくと、今度は魂の名著『ライトブルーペイジ』に収録されていた作品が次々と出てくるのですから、オドロキを通り越して、ただただ、懐かしいさべあ節をたのしむしかありません。

『FAR 緑の星の子供たち』は、『ライトブルーペイジ』の中でも特にフェイバリットな作品です。それはなんてことのない夜なのかもしれないけれど、世界中で何かがつながっていく特別な夜の出来事…。どうしてこんなに泣けてくるんだろうと、何度も何度も心をふるわせたものです。あとがきの作品解説で、当時この作品が嫌いで継子扱いにしていた、と本人が述懐しているのを読んであらためて驚いたり…。

「本とコンピュータ」に掲載された『夢みる筺の王子』が収録されているのもうれしいですね。
posted by 多村えーてる at 21:41| 奈良 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月07日

イワン・イストチニコフとクローカの真実は?

ジョアン・フォンクベルタ+スプートニク協会『スプートニク』[Amazon] [bk1]

スプートニク
おもしろくない人間などいない。
人の運命は星の歴史とおなじ。
一つ一つが独特で、孤独で、かけがえなく
似たようなものは他にどこにもない。

もし誰かが沈黙のうちに
世の片隅でひっそり自足して生きていたとしても
取るに足らないその生き方そのものが
その人をおもしろくするのだ。

人は誰でも自分だけの秘密の世界をもつ
最高の瞬間はその世界に隠されている
もっとも悲惨な時もそこに隠されている。
だが他人であるわれわれは何も知らずに過ごすのだ。

そして一人の男が死ぬとき
彼の最初の雪も死ぬ
最初の口づけも、最初のけんかも
すべては彼とともに消える。

たしかに残る、本は、橋は
機械は、画家のキャンバスは
たしかにこれからも姿をとどめるものはある
しかし何かが逃げ去ってゆく。

それこそ、この容赦ないゲームの法則。
人だけが消えるのではなく、世界が消えるのだ。
この世に生きた罪人のことをわれわれは覚えている
しかし、本当は、かれらの何を知っているというのか?
昨年秋に買った『宇宙ロケットの世紀』[Amazon] [bk1] を読み終えて、そのまま続けて読む。いやぁ、おもしろいのなんのって。豊富な写真資料を堪能しつつサクッと読み終わる。それにしても、ソユーズ2号は無人だったというのは、どの資料にも記されている話。『宇宙ロケットの世紀』にだってそのように書いてある。それが、この本によると、イワン・イストチニコフという一人の宇宙飛行士と一匹の犬が乗り込んでいたというのだ。彼らは原因不明の事故で姿を消してしまい、時のソ連邦は徹底的な証拠隠滅をはかる…。なんということだろう、これは宇宙史を書き換えてしまうほどの新事実ではないのか?
ところが、である。巻末の隅っこに、小さな文字でこんなふうに記されているんだよね。
*本書『スプートニク』は、解説を除き、すべて作者ジョアン・フォンクベルタによるフィクション作品です。
な、なんですとぉー!?
posted by 多村えーてる at 08:32| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月05日

須藤真澄・単行本未収録作品集『マヤ』

須藤真澄『マヤ』[Amazon] [bk1]

須藤真澄/マヤ

そういえばずいぶん前に本人のサイトでそういう企画があるって読んだことがあるような。もう一年近く前のことだったと思うんだけど、ようやく発売。

ざっと眺めてみたところ、ちょうど筆がこなれた頃というか、不思議な作品をバリバリと量産されていた頃の作品があれこれ集まっているようです。

最近はすっかり『おさんぽ大王』[Amazon] [bk1] の「出来上がってしまったますび先生」しか目にすることがなかったので、今夜は久しぶりに叙情たっぷりの団子串描線を堪能しようと思う。
posted by 多村えーてる at 19:10| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする